北京五輪でのロシア選手のドーピング問題について、ロシア・オリンピック委員会が公式声明を出しましたが、ロシア・フィギュアスケート連盟がウェブサイトにこれを掲載しているので全文を訳して紹介します。
ロシア・オリンピック委員会公式声明
2022/2/11
ロシア・オリンピック委員会は、ROC代表チームの女子フィギュアスケート選手の状況に関するプレスリリースを発表した。
「国際オリンピック委員会(IOC)の代理となるITAが、カミラ・ワリエワ選手(以下「同選手」)に関する情報を公式に公開したことに関し、ロシア・オリンピック委員会は、現状について詳細な説明をする必要があると考える。
2022年2月8日、第24回冬季オリンピック2022のフィギュアスケート団体戦終了後、ロシア・オリンピック委員会は、国際試験機関(ITA)から、ロシア・アンチドーピング機関「RUSADA」が同選手に対して、2022年2月8日午前11:36(北京時間)から暫定資格停止を適用したという情報を受領した。
サンクトペテルブルクでのロシア・フィギュアスケート選手権時、2021年12月25日に採取された同選手のドーピング検体に関する不都合な分析結果を、ストックホルム・アンチドーピング研究所から通知を受領したことに関連して、暫定資格停止が適用された。
同選手のドーピング検体からは、2021年WADA禁止物質リストS4.4に属する禁止物質「トリメタジジン」が検出された。
陽性となった同選手のドーピング検体は、オリンピックの開催期間には関係していない。さらに、同選手は、2021年12月25日の前後に一度ならずドーピング検査を受けており、それにはフィギュアスケート大会中の北京でのものも含まれる。結果はすべて陰性である。
暫定資格停止のステータスは、同選手が、2022年2月8日から、同選手の件に関する最終的決定が下される瞬間まで、ロシア及び国際大会に参加する権利を持たないことを想定している。
本件に関しロシア選手の権利と利益を守るため、同選手に対し必要なすべての法的援助を行う資格を持った法務専門家が招致された。
全ロシア・アンチドーピング規則および世界アンチドーピング規程に基づき、同選手はロシア・アンチドーピング機関「RUSADA」に対し、同選手に適用されている暫定資格停止に関し、速やかに聴取を行うよう要請した。
聴取は2022年2月9日に行われた。聴取の結果、「RUSADA」懲罰委員会は、同選手に対する暫定資格停止の適用を解除した。上記決定は即時発効した。
全ロシア・アンチドーピング規則および世界アンチドーピング規程に基づき、暫定資格停止の解除に関する「RUSADA」アンチドーピング懲罰委員会の決定は、関係当事者により、ローザンヌ・スポーツ仲裁裁判所(CAS)に申立てができる。
このように、スポーツ仲裁裁判所によりオリンピックに適用される同選手のステータスに関する他の決定がなされない限り、現時点で同選手には、練習し、制限なく完全に大会に参加する権利がある。
いずれにせよ、ありうるアンチドーピング違反の本質については、定められた手続きにおいて適用される規則に従い、「RUSADA」による規律調査が行われる。
同選手の陽性となったドーピング検体がオリンピック期間には採取されていないことを考慮すると、オリンピック中の同選手の結果及び団体戦の結果は、自動的な見直しに付されるものではない。
さらに、ロシア・オリンピック委員会は、2022年1月のフィギュアスケート欧州選手権後に採取された同選手のドーピング検体、ならびにオリンピック時に採取されたドーピング検体は、陰性を示したという事実に注目している。
ロシア・オリンピック委員会は、ROCチームメンバーの権利と利益を守り、公正に獲得したオリンピック金メダルを保持するため、全面的な措置に着手している。
ROCはまた、完全な調査が行われ、その結果、起こったことについて、すべての意義ある法律上および事実上の状況が確定するという立場である。」と、ROCの声明で述べられている。
ロシア・フィギュアスケート連盟は、自国の同選手の誠実さとクリーンさに疑いを持っておらず、起こったことの状況を明らかにするために全力を尽くし、同選手に対し必要な全面的支援と支持を行う。
国際試験機関。フィギュアスケート選手カミラ・ワリエワに関するITAの通知:
https://ita.sport/news/beijing-2022-the-ita-informs-on-figure-skater-kamila-valieva/
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