2019年10月の記事ですが、トゥトベリゼのチームに入るための方法を5つの場合分けで例を挙げながら解説していますので、前後編で紹介します。
エテリチームへの入り方:リプニツカヤはオーディション、トルソワとコストルナヤは審査研修、さらにインスタでの募集も
(前)1:研修、2:通常の審査 ← この記事
(後)3:同クラブの別コーチ、4:エテリの招待、5:成功した選手
伊藤聡美 / FIGURE SKATING ART COSTUMES
(続く)
エテリチームへの入り方:リプニツカヤはオーディション、トルソワとコストルナヤは審査研修、さらにインスタでの募集も
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(後)3:同クラブの別コーチ、4:エテリの招待、5:成功した選手
伊藤聡美 / FIGURE SKATING ART COSTUMES
エテリチームへの入り方:リプニツカヤはオーディション、トルソワとコストルナヤは審査研修、さらにインスタでの募集も
ポリーナ・クルチヒナ / Sport.ru / 2019/10/16
エテリ・トゥトベリゼは女子スケートを変えた。
以前は3回転3回転のコンビネーションを跳んでいたのは10人のうち1人であったこの競技種目が、突然ハイテクスポーツに変化した。エテリ・チームでの4回転は平凡なエレメントであり、ルッツ-ループはもうずっと前から特別なものではなく、一般的な礼儀である。プログラムからは、ルール上認められた最大限を絞り出す。
何千もの児童が、トルソワやザギトワと同じリンクで滑るのを夢見ている。しかし、夢を実現するチャンスはどんなものなのか。
傍から見れば、「クリスタル」への招待状を受取るのは選ばれた者たちだけであり、審査の列はどこかノヴォシビルスクあたりまで続いているように思われる。しかしそんなことはない。このチームにはよく新しい選手が加わっており、女子だけでなく男子も採用されている。
例えば、新たなオリンピック・サイクルの初めに大規模な募集があり、そのときエテリの下にはカミーラ・ワリエワ、マイヤ・フロムィフ、ダリヤ・ウサチョワが加わった。オリンピック2022には彼女たちは15歳という、開花の時期を迎える。覚えているだろうか、ソチの大勝利のときのリプニツカヤは15歳、そして平昌でメドヴェデワに買ったザギトワも15歳だった。
以下、地球上最高の女子チームに入るための信頼できる方法だ。
第1案:研修に訪れる
夏、トゥトベリゼの下で外国選手が練習することが多い。ライバルを恒久的に育てるのはしたくないと、彼女は2年前に言っていた。例外はエリザベート・トゥルシンバエワ(カザフスタン)とモリス・クヴィテラシヴィリ(ジョージア)だが、ロシア国籍を持っていた小さな頃から「クリスタル」で滑っていた。
ジャンプ練習のためにトゥトベリゼの下に中国、トルコ、マレーシアの選手が目指してきており、2017年にはフィリピン選手のために出張マスタークラスを行った。
特別なのは宇野昌磨で、ノヴォゴルスクのエテリ・チーム合宿で1ヶ月を過ごした。トゥトベリゼの下に残る決断はしなかったが、これは様々な指導アプローチを試したいためと説明していた。
「クリスタル」本部が他チームのロシア選手を助けることもある。例えば、ダニール・グレイヘンガウスがペアのダリヤ・パヴリュチェンコ/デニス・ホディキン組の振付をしたり、セルゲイ・ドブリン・コーチがチームを率いて研修に来ることもあった。
第2案:通常の審査
この方法でほとんどの選手がトゥトベリゼ・チームに入る。審査は今でも行われており、リンクのサイトやときにはセルゲイ・ロザノフ・コーチのインスタグラムに要項が掲載される。条件はみな違っている。1回の練習で十分な者もいれば、試用期間に残される者もいる。
「クリスタル」の最も美しい登場をしたで賞は、言うまでもなくリプニツカヤに与えられる。彼女の母は10歳のユーリャ(リプニツカヤ)を車に乗せ、エカテリンブルクからモスクワへと走った。トゥトベリゼの下でうまくいかなければ、フィギュアスケートは終わりという条件で。フィギュアスケートを捨てることにはならなかった。素晴らしい柔軟性を持った真面目な子はエテリに印象を残し、それ以上にユーリャの母の言葉が驚かせた。「年齢的にオリンピックに参加できるんですよ」。
ポリーナ・ツルスカヤは、アレクサンドル・コガン(今はロシア・フィギュア・スケート連盟会長だが、そのときはシベリアや極東地域の選手を担当していた)の提案で、オムスクからもモスクワへとやって来たときは11歳だった。トゥトベリゼは身長の高さから採用を懸念したが、デビューとなる練習を経てチームへと残した。「最初の練習ではもちろん全力を見せましたが、エテリ・ゲオルギエヴナ(トゥトベリゼ)は、私が注意をすべて聞いていてすぐに間違いを修正していたことが気に入ったようです」とポリーナは回想している。
リプニツカヤも、ツルスカヤも、クヴィテラシヴィリも、「クリスタル」への移籍がフィギュアスケートでの最後のチャンスだと思ってたというのは興味深い。彼らは本当に引退を考えていた。例えば、モリス(クヴィテラシヴィリ)はいつもジャンプが回転不足になっているなど、ジャンプが整わなかった。
オーディションはカミーラ・ワリエワも受けた。トゥトベリゼの前は「モスクヴィチ」スポーツ学校で練習し、子供の頃はカザンでクセニヤ・イワノワの下で練習していた。
ジャンプや芸術性でワリエワには問題があったことはなかった。専門家も白鳥を演じた8歳のカミーラに感動していた。ライバルに勝つために、安定性が足りなかった。そのために彼女は「クリスタル」に送られたのである。
ダニール・サムソノフは、男子チームの一番のスターであるが、トゥトベリゼの下での練習のためでなく、いくつかプログラムを振り付けてくれたダニール・グレイヘンガウスとの練習のために「クリスタル」に移籍したおそらく唯一の選手である。
「練習に来て、2回転全種類を跳び始めた。ダニール・マルコヴィチ(グレイヘンガウス)が冗談で、ここでは誰も2回転なんか跳ばない、3回転だけだと言ったので、3回転も跳んでみて、アドレナリンで3Fまで跳んでしまった。本当に採用してもらいたかったから。自分には審査に1ヶ月与えられて、1ヶ月ずっと頑張って練習した」と、サムソノフは新チームについて覚えている。
(続く)
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