ちょっと前の記事(2020/1)ですが、選手生活を一時中断しているマリヤ・ソツコワの現状についてのインタビューがSport Expressに掲載されていましたので、前後編で紹介します。
オリンピックで転倒したら、フィギュアスケートが人生の中の唯一のものではないとわかるでしょう
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4/15発売 Ice Jewels(アイスジュエルズ)Vol.12~フィギュアスケート・氷上の宝石~羽生結弦スペシャルインタビュー(KAZIムック)
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ソツコワ:オリンピックで転倒したら、フィギュアスケートが人生の中の唯一のものではないとわかるでしょう
ドミトリー・クズネツォフ / Sport-express / 2020/1/30
キャリアを一時休止した。ザギトワより少し早く。
すぐに始めましょう。選手生活を終えたのか、あるいは最後まで闘うのか、きちんとした答えは出ていません。このことについて、毎日頭の中で考えていて、自分を不安にさせる一番大きなことです。そんなに簡単なことだとは思っていませんし、自分には潜在力はあります。ただ、競争があれだけ激しいので、すべてが無意味なものになりかねないのです。
(それは、トルソワやシチェルバコワ、コストルナヤの成績を見ておっしゃっているのでしょうか。)
彼女たちのあとにも続いてくるでしょうし、近づきつつある選手はとてもたくさんいます。一旦休みをとったのは、自分を回復させるためです。あるとき、私は人生で停滞しているとわかったので。毎日リンクに入って、ルーティンをしているのに、何にもつながらないのです。もしかすると、逆に、そういったものを寂しく思うことになるかもしれませんが。
(一般論ですが、あなたはアリーナ(ザギトワ)と同様、引退したのではなく、一時休止しているのですよね。)
そうとも言えます。ただ、ちょっと早くそこにたどり着いたということになります。
(いつのことでしょうか。)
夏の合宿は最高に実り多く、スヴェトラーナ・ウラジーミロヴナ・ソコロフスカヤの下に移ってから限りないモチベーションがありました。本当にしっかり練習できました。しかし、家庭内の事情(編注:父親が突然亡くなった)から、キスロヴォツク合宿を中断しなくてはならなくなり、その後は…無感情になりました。私は生きてはおらず、ただ存在していただけでした。「早くこの日が終わればいいのに」とばかり。練習、家、練習と、週に6日。
(どうやって克服したのでしょうか。)
私はアクティブなことや仲間のなかにいるのが好きな人間なのですが、そのときは自分の中に入り込んでいました。知人を避けようとしていました。大会が近づいてきて、一方では準備万端!と思っていながら、もう一方で、選手として肉体的・精神的に求めらているような状態ではまったくありませんでした。
(辞退することは考えましたか?)
ある時点で、辞退という段階までもう遠くなかったと思っています。しかし、チームのみんなやコーチ陣が励ましてくれたので、彼らを裏切ることは自分に許せませんでした。全面的に力を与えてくれて、プレッシャーではなく励ましてくれました。コーチたちは、すべてうまくいく、周りのみんなは難しい状況からそれでも這い出られることを望んでいると言ってくれました。私たちはみな、大会は何か新しいもので、助けてくれるものだと信じていました。実際に、今あるものを維持するのに役立ちました。秋に休止することになって、お正月のショーの前に3回転ジャンプすべてを戻しました。そして、諦めるのは早かった!と思ったのです。それで解放されて、自分の成長に取り組み始めました。
(そして、いまは人生をどのように見ていますか?時間も増えただろうと思いますが。)
休止の決定の1週間後に大学に行って、ショーのことを知りました。Kings on Iceに出たのですが、その前の練習で3回転すべてをすぐに戻せました。半月も滑っていなかったのに!ショーではループとフリップ、そしてダブルアクセル2本を跳びました。
(つまり、精神的な問題だということですか。)
はい。解放されて、すぐにうまくいきました。筋肉の記憶はどこにも消えていませんでした。その後お正月のショーが始まったのですが、本当に大好きです。プーシキン広場での演技でしたが、広場は人で一杯で、喜びで一杯で、幸福感の中にありました。ショーは、自分が自己表現できる場です。大好きなことを続けながら、ジャッジの評価を恐れなくて良いのです。2月1日はドブログラードで出演します。
(並行してロシア舞台芸術大学で学ばれていますね。)
ええ、ショーの後に試験に通りました。コレオ・振付を学んでいるのですが、フィギュアスケーターは私一人だけで、あとはボリショイ劇場やTodesの人たちです。自分にとって、ロシア体育大学に入らないということがずっと重要でした。もう振付やプロの準備の第一歩は踏み出していますが、まだカードを全部明かしたくはありません。もうすぐわかるでしょう。将来は振付師になりたいですが、季節性の仕事ですから。
並行して新しいことや成長につながることに取り組んでいました。ちょうど展覧会に行ってきたところです。それでもスポーツなしでは生きられませんから、いろいろな方向性を試しています。サイクリングやエアリアル・パフォーマンス、サスペンション・トレーニングなど。つまり、人生ですべてを楽しんで幸せです。
(続く)
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