セルゲイ・ヴォロノフが、コロナウイルスによる自己隔離状況などについてR-Sportに語っていますので紹介します。自身の進退、ジュニア選手や男子一般の状況についても(断りを入れながら)話しています。
4/21発売 翼をはばたかせて 世界のトップスケーター12人がつむぐ「氷上物語」
アナトリー・サモフヴァロフ / R-Sport / 2020/4/17
他の法を遵守する市民全員と同様、自己隔離の状況にあります。家や家の近くの許可された区域でコンディションは維持しています。
(鉄棒ですか?)
いえ、(広場の)鉄棒は禁止です。腹筋や背中を鍛え、ランニングをし、腕立て伏せをしています。やりたい人にはいくらでも機会はあり、やりたくない人にはいくらでも言い訳があるものです。
(何か新しいことを初めてみましたか?本を読んだり、ゲームに夢中になったり…)
本は以前から読んでいましたが、全体で見れば、オンラインでいようとしている時間が増えました。世界全体が移動の自由を制限されている状況に私たちはいます。快適な牢屋にいることも、試練です。これは、私たちひとりひとりに対する、ある意味で挑戦状なのです。
(快適な牢屋というのは、コロナウイルスの5回目のテスト後に通常の隔離状況に移された、1984年五輪覇者のオレグ・ワシリエフの引用ですね。)
そのとおりです。知っています。
(来シーズンの計画はありますか?プログラムの振付や大会出場など。)
計画はありますが、今の時点では、続ける・続けないということについて、どんな宣言もしません。この(コロナウイルスの)テーマがどれだけ長くなるのか見守りましょう。私の知る限り、氷上練習の機会は誰にもありません。
(もし5月にはリンクに入ることができるようになるとちょっと夢見て想像したとすると、6月-7月に準備をして、休暇をとって…)
もし5月なら素晴らしいですね。しかし考えてください、最初は1週間(休日)と宣言されていたのに、結果として「今のところは」4月末まで延長になりました。今後どうなるのか待ちましょう。
(引退するしないの決断には、まずコロナウイルスのパンデミックが影響しているのでしょうか。)
問題は、準備が間に合うか間に合わないのか、その全体すべてにかかっています。私は、何か特別な条件にあるわけではなく、あらゆる市民と同じ状況にあります。いまはプログラムを振り付けることもできませんし、やり始めていた新しい靴の慣らしもできません。今は休業中です。
(とはいえ、それでもどちらに近いのでしょうか、キャリア継続か、…。)
…お聞きください。近いか遠いかということを話すのは、まだ無駄なことです。私は休業中です。このパンデミックが過ぎ去ったら、考える糧が出てくるでしょう。いまのところ、そういった問題を投げかけないようにしていて、自分自身でもその答えはありません。
(振付のアイディアはありますか?)
いくつか考えていることはありますが、すべて誰にも言ったことさえない、考え以上のものでは今のところありません。ですので、このテーマについて何か話すのは、少なくともちょっと愚かなことです。
(競争という視点で、今シーズンをどう評価しますか。)
自分にとって今シーズンは興味深く、また何よりも教訓となるものでした。競争については、新しい選手たちが現れつつありますが、こういことが起こるのはありがたいことです。ジュニアの誰が出てきてどのように今後進化していくのかを見るのは面白いです。世界はその場に留まっておらず、こういった制限、ウイルスにもかかわらず、世界は留まることはないのです。いずれにせよ進歩は避けられるものではなく、こういったことをポジティブに見ています。
(ロシア選手権と欧州選手権の新たな覇者であるドミトリー・アリエフは、今シーズン大人になりましたか?)
欧州選手権の金メダルを獲ったとうのは素晴らしい一歩です。今後を見守りましょう。
(ジュニアについては。)
安定性という意味で、(ジュニア世界選手権覇者の)モザリョフが良いです。面白かったです。本当に。しかし、ジュニアはジュニアですので、今後がどうなるかは時が教えてくれるでしょう。
(モザリョフは安定性だけでなく、ファイターとしての資質も見せました。とはいえ、4回転の種類はまだ多いとはいえません。)
でも世界王者になる邪魔にはなりませんでしたね。
(そのとおりですが、同じくジュニアのピョートル・グメンニクやダニール・サムソノフには、もっと強力なジャンプがあります。それがもっと大きな将来性を与えるものと思いませんか?)
選手はみな天賦の才能があり、一番面白いところは来シーズンとなるでしょう。パンデミックが過ぎ去り、シーズンは成立するとそれでも信じています。そうなれば、新たな名前や新たな息吹も開かれるでしょう。フィギュアスケートは少なくとも一歩後退するのではなく、逆に前進すると革新しています。
(しかし今のところは、依然としてネイサン・チェンと羽生結弦がいて、その他大勢がいるという状況では?)
国際大会の何が面白いかというと、そこではまったく異なったカテゴリーの人たちが一堂に会するからです。ジュニアや、ジュニアを卒業したばかりの選手、成熟した選手でも称号を持つ選手とあまり持たない選手と。そして、主要大会という状況の中で誰がどのように振る舞うのかは、とても興味深いです。現時点では、ネイサンと結弦がトップ2で、残りすべての選手は彼らに追いつこうと努力しています。
(練習ではロシア選手権と欧州選手権の銀メダリストであるアルトゥル・ダニエリャンとよく会っていましたよね。)
はい。
(彼はもうジュニア以上の選手であると言えますか?)
とても練習好きで、勤勉な努力家です。良い意味で根気強く、我慢強いです。ロシア選手権と欧州選手権で2位というそのこと自体が示しています。
(レベルとしてモザリョフやグメンニクを超えていると?)
その質問はあまり意味がないのではないでしょうか。それに、選手を比較するというのは私の仕事ではありません。その質問はエレーナ・ゲルマノヴナ(ブヤノワ)(注:ダニエリャンのコーチ)にしてください。彼女はたぶん自分の見方を提示してくれるでしょう。私にはそんな視点はありません。そういったことは、正直に言って、考えていないからです。そういった選手はそれぞれに才能があり、すでに達成したものがある、とは言えます。その先がどうなるかなんて私たち自身のことでさえわかりません。すべて、彼らの腕と脚にかかっています。
(モントリオールで開催されなかった世界選手権が秋に開催されるとお考えですか?)
おそらくないと思います。来シーズンはプレオリンピック・シーズンで、したがって10月とか11月の世界選手権はあまり想像できません。ISUはパスする決定をするという方に傾いています。
(世界選手権中止から、誰が一番損をしたのでしょうか。)
一人残らず全選手です。どんなものであっても、パスをするのは成績が悪かったことよりも悪いです。この大会に向けた選手の練習のすべての努力が、期待はずれに終わってしまいました。選手だけでなく、世界のフィギュアスケート共同体のすべてが、2019/20シーズンの頂点となるはずの大会を失ってしまいました。しかし世界は自分で修正をします。つまり、どんなことがあっても、良い方へとむかうかもしれません。わかりませんが。
(ロシア女子は、おそらく獲得できたであろうメダルをもらえない、という確率が非常に高いですが。)
「おそらく」というカテゴリーで判断する価値はありません。それは起こらなかったことですから、占いをする必要はありません。
(来年も、アレクサンドラ・トルソワやアンナ・シチェルバコワ、アリョーナ・コストルナヤは優勝候補となるでしょうか。)
私はやはり男子の方をより追いかけているので、そのロシアの3選手について言えるのは、今シーズンは完璧な優勝候補だったということだけです。今後どうなるかはおそらくシーズン当初にはわかるでしょう。
(終わり)
4/21発売 翼をはばたかせて 世界のトップスケーター12人がつむぐ「氷上物語」
セルゲイ・ヴォロノフ:快適な牢屋であっても、試練である
https://rsport.ria.ru/20200417/1570147542.htmlアナトリー・サモフヴァロフ / R-Sport / 2020/4/17
パンデミックに靴の慣らしを邪魔された
他の法を遵守する市民全員と同様、自己隔離の状況にあります。家や家の近くの許可された区域でコンディションは維持しています。
(鉄棒ですか?)
いえ、(広場の)鉄棒は禁止です。腹筋や背中を鍛え、ランニングをし、腕立て伏せをしています。やりたい人にはいくらでも機会はあり、やりたくない人にはいくらでも言い訳があるものです。
(何か新しいことを初めてみましたか?本を読んだり、ゲームに夢中になったり…)
本は以前から読んでいましたが、全体で見れば、オンラインでいようとしている時間が増えました。世界全体が移動の自由を制限されている状況に私たちはいます。快適な牢屋にいることも、試練です。これは、私たちひとりひとりに対する、ある意味で挑戦状なのです。
(快適な牢屋というのは、コロナウイルスの5回目のテスト後に通常の隔離状況に移された、1984年五輪覇者のオレグ・ワシリエフの引用ですね。)
そのとおりです。知っています。
(来シーズンの計画はありますか?プログラムの振付や大会出場など。)
計画はありますが、今の時点では、続ける・続けないということについて、どんな宣言もしません。この(コロナウイルスの)テーマがどれだけ長くなるのか見守りましょう。私の知る限り、氷上練習の機会は誰にもありません。
(もし5月にはリンクに入ることができるようになるとちょっと夢見て想像したとすると、6月-7月に準備をして、休暇をとって…)
もし5月なら素晴らしいですね。しかし考えてください、最初は1週間(休日)と宣言されていたのに、結果として「今のところは」4月末まで延長になりました。今後どうなるのか待ちましょう。
(引退するしないの決断には、まずコロナウイルスのパンデミックが影響しているのでしょうか。)
問題は、準備が間に合うか間に合わないのか、その全体すべてにかかっています。私は、何か特別な条件にあるわけではなく、あらゆる市民と同じ状況にあります。いまはプログラムを振り付けることもできませんし、やり始めていた新しい靴の慣らしもできません。今は休業中です。
(とはいえ、それでもどちらに近いのでしょうか、キャリア継続か、…。)
…お聞きください。近いか遠いかということを話すのは、まだ無駄なことです。私は休業中です。このパンデミックが過ぎ去ったら、考える糧が出てくるでしょう。いまのところ、そういった問題を投げかけないようにしていて、自分自身でもその答えはありません。
今シーズンは私にとって教訓となった
(振付のアイディアはありますか?)
いくつか考えていることはありますが、すべて誰にも言ったことさえない、考え以上のものでは今のところありません。ですので、このテーマについて何か話すのは、少なくともちょっと愚かなことです。
(競争という視点で、今シーズンをどう評価しますか。)
自分にとって今シーズンは興味深く、また何よりも教訓となるものでした。競争については、新しい選手たちが現れつつありますが、こういことが起こるのはありがたいことです。ジュニアの誰が出てきてどのように今後進化していくのかを見るのは面白いです。世界はその場に留まっておらず、こういった制限、ウイルスにもかかわらず、世界は留まることはないのです。いずれにせよ進歩は避けられるものではなく、こういったことをポジティブに見ています。
(ロシア選手権と欧州選手権の新たな覇者であるドミトリー・アリエフは、今シーズン大人になりましたか?)
欧州選手権の金メダルを獲ったとうのは素晴らしい一歩です。今後を見守りましょう。
(ジュニアについては。)
安定性という意味で、(ジュニア世界選手権覇者の)モザリョフが良いです。面白かったです。本当に。しかし、ジュニアはジュニアですので、今後がどうなるかは時が教えてくれるでしょう。
(モザリョフは安定性だけでなく、ファイターとしての資質も見せました。とはいえ、4回転の種類はまだ多いとはいえません。)
でも世界王者になる邪魔にはなりませんでしたね。
(そのとおりですが、同じくジュニアのピョートル・グメンニクやダニール・サムソノフには、もっと強力なジャンプがあります。それがもっと大きな将来性を与えるものと思いませんか?)
選手はみな天賦の才能があり、一番面白いところは来シーズンとなるでしょう。パンデミックが過ぎ去り、シーズンは成立するとそれでも信じています。そうなれば、新たな名前や新たな息吹も開かれるでしょう。フィギュアスケートは少なくとも一歩後退するのではなく、逆に前進すると革新しています。
ダニエリャンは、良い意味で勤勉だ
(しかし今のところは、依然としてネイサン・チェンと羽生結弦がいて、その他大勢がいるという状況では?)
国際大会の何が面白いかというと、そこではまったく異なったカテゴリーの人たちが一堂に会するからです。ジュニアや、ジュニアを卒業したばかりの選手、成熟した選手でも称号を持つ選手とあまり持たない選手と。そして、主要大会という状況の中で誰がどのように振る舞うのかは、とても興味深いです。現時点では、ネイサンと結弦がトップ2で、残りすべての選手は彼らに追いつこうと努力しています。
(練習ではロシア選手権と欧州選手権の銀メダリストであるアルトゥル・ダニエリャンとよく会っていましたよね。)
はい。
(彼はもうジュニア以上の選手であると言えますか?)
とても練習好きで、勤勉な努力家です。良い意味で根気強く、我慢強いです。ロシア選手権と欧州選手権で2位というそのこと自体が示しています。
(レベルとしてモザリョフやグメンニクを超えていると?)
その質問はあまり意味がないのではないでしょうか。それに、選手を比較するというのは私の仕事ではありません。その質問はエレーナ・ゲルマノヴナ(ブヤノワ)(注:ダニエリャンのコーチ)にしてください。彼女はたぶん自分の見方を提示してくれるでしょう。私にはそんな視点はありません。そういったことは、正直に言って、考えていないからです。そういった選手はそれぞれに才能があり、すでに達成したものがある、とは言えます。その先がどうなるかなんて私たち自身のことでさえわかりません。すべて、彼らの腕と脚にかかっています。
(モントリオールで開催されなかった世界選手権が秋に開催されるとお考えですか?)
おそらくないと思います。来シーズンはプレオリンピック・シーズンで、したがって10月とか11月の世界選手権はあまり想像できません。ISUはパスする決定をするという方に傾いています。
(世界選手権中止から、誰が一番損をしたのでしょうか。)
一人残らず全選手です。どんなものであっても、パスをするのは成績が悪かったことよりも悪いです。この大会に向けた選手の練習のすべての努力が、期待はずれに終わってしまいました。選手だけでなく、世界のフィギュアスケート共同体のすべてが、2019/20シーズンの頂点となるはずの大会を失ってしまいました。しかし世界は自分で修正をします。つまり、どんなことがあっても、良い方へとむかうかもしれません。わかりませんが。
(ロシア女子は、おそらく獲得できたであろうメダルをもらえない、という確率が非常に高いですが。)
「おそらく」というカテゴリーで判断する価値はありません。それは起こらなかったことですから、占いをする必要はありません。
(来年も、アレクサンドラ・トルソワやアンナ・シチェルバコワ、アリョーナ・コストルナヤは優勝候補となるでしょうか。)
私はやはり男子の方をより追いかけているので、そのロシアの3選手について言えるのは、今シーズンは完璧な優勝候補だったということだけです。今後どうなるかはおそらくシーズン当初にはわかるでしょう。
(終わり)
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