アリョーナ・コストルナヤが、コロナの隔離状況における現在の状況や、プログラムについて語っているインタビューがタス通信サイトに掲載されていましたので前後編で紹介します。後編は、脳神経外科医になる夢を再開させたことやプログラムについてが中心です。
コストルナヤ:私は天使じゃない、私のことではまったくない
(前)世界選手権中止を知って
(後)脳神経外科医の夢/プログラムについて ← この記事
4/16発売 大谷翔平・羽生結弦の育て方 子どもの自己肯定感を高める41のヒント
ヴェロニカ・ソヴェトワ、ウラジスラフ・ジュコフ / TASS /2020/4/15
(続き)
(隔離状況は精神的にはつらいですか?)
はい、とてもつらいです。こんなに家にいることに慣れていませんでした。昨年、怪我の治療をしていたとき(注:ジュニア世界選手権前に足を傷めた)は1ヶ月何もしていませんでしたが、その後は「ああ良かった、リンクだ!何もかもがある!」と。
(並行して勉強もしていますか?)
いまはちょうど時間があるので。学校がサイトを提供してくれて、オンラインで勉強しています。テストを受けるためのサイトがもう一つあります。学校が生徒全員分のプログラムの支払いをしてくれて、私たちはそのプログラムを進めています。ですので、いま家にいる間は、以前はあまり得意でなかった強化を引き上げたり、自分には特に必要のない強化を終わらせる素晴らしい機会です。
(勉強は楽ですか?それともフィギュアスケートのせいで「沈んで」いるものもありますか?)
正直に言えば、この半年で全教科で少し遅れていました。まだ評価点を一つももらってないので、いま積極的に取りに行っています。授業をすべて受けて、個人教師の指導も受けて、宿題を全部して期限前にすべて試験を受けようと頑張っています。教材の中には自分でやらなければいけないくなるものもあります。教室で聞いていても、あたかもまったく説明できていないような説明のときがあるからです。子どももいろいろです。早く覚える子もいれば、そうでない子もいます。ときどき、先生が全員に説明しようと努力した結果、ごった煮ができあがってしまうこともあります。
(脳神経外科…机の上に本がおいてあった映像がありました。)
その本は、有名な脳神経外科医のヘンリー・マーシュの本です。信じられないような人なんです。いまそれを読んでいて、重要な箇所を覚えています。この本がとても好きで、各章が個別の病気に対応しています。そして病気について詳細が述べられていて、例えば、この部分を切って、クリップを取り出し挟んで押してみるとどうなるか。すべてがとても実際的に、そしてわかりやすい言葉で書かれているので、すぐに惹かれました。2巻も持っています。
(つまり、真面目におっしゃってるのですね。)
はい、来年試験を受けるつもりです。そして、あきらめるつもりはありません。この道が、本当に突然に自分に開けて、こんな機会ができたことにとても感謝しています。
(その関心があなたの人生でいったいどうやって起こったのですか?)
9歳か10歳の頃です。母が「グレイズ・アナトミー」のドラマを見ていました。ちょうどいま私も見ていますが。そこで、ちょうど脳神経外科医がいるシーンがありました。そこではすべてを上から映していて、彼らが頭蓋骨を開き、頭蓋骨の一部を取り出して、クリップを取り出し動脈瘤を挟むのです。そして、ああ、血管が破裂してしまうのです。そして周りはすべて大きな音を立て、みんなが右往左往しています。それをすごく頭に残って、そんなキャーキャーいう騒ぎ声まで気に入りました。
(血を見ても怖くないですか?)
いえ、まったく落ち着いていられます。
(あなたのファンが(SNSの)VKontakteのグループでチャレンジを開始しました。プログラムの音楽を提案する必要があるものですが、もしかすると振付に使うこともありますか?)
言うまでもなく、プログラムはコーチと一緒に選びますし、合うか合わないか、自分が氷上でどう見えるかを見てみます。もしかすると、何かしらのアイディア、構成部分の一部が必要になるかもしれません。みなさんは、自分の考えで良いだろうと思うものを提案してくれますが、最後はいずれにせよ選手とコーチの手に残ります。私の場合、なにか好きなものがあれば、「エテリ・ゲオルギエヴナ(トゥトベリゼ)、ダニール・マルコヴィチ(グレイヘンガウス)、お願いします!」と(笑)。断られないとは思います。プログラムを楽しんで滑るのは良いことだからです。
(ここ2年ほどですが、あなたは「クリスタル」の選手の中で、好きなキャラクターでプログラムを滑る数少ないうちの一人ですね。今シーズンのフリーのことですが。映画「トワイライト」のヒロインであるベラ・スワンを演じるということに、あなた自信がこだわったとも言われています。コーチ陣はどのような態度なのでしょうか。)
このキャラクターは、私自身です。つまり、「天使」の振り付けだったとき(注:2018/19、2019/20シーズンのショート)は、私は、それが何なのかを理解して、それを見せる必要があるとわかっていました。ベラで滑っていたときは、もうすでに具体的な私自身なので、何かを変えることは難しいです。ですので、このアイディアは私自身だけのものではなく、エテリ・ゲオルギエヴナ(トゥトベリゼ)にこの考えが降りてきました。この考えは、私がときおり見せる振る舞いや、動作や行動によってもたらされたものです。
アイディアは、なにもないところから決して生まれません。コーチが長い間選手を観察して、選手の中のテーマを振り付けようとしているのです。そのために、プログラムはいつも生き生きと見えるのです。そう、私は天使と呼ばれるのはまったく好きではありません。本当に天使じゃないし、私のことじゃないからです(笑)!
(大きな視点で言えば、何かやってみたいことはありますか?もしかすると、今ではなく、将来に。どの選手にも夢のプログラムがあります。あなたにとっては何でしょうか。)
今はもうそういったプログラムはありません。以前は、まさに「バンパイア」でした。
(来シーズンのプログラムについてはいかがですか?もうアイディアはありますか?)
いまはまったくわかりません。私にとっては、いきなり音楽をかけられて「これがお前のだ」と言われたらすごく驚くことでしょう。アイディアをいくつか、すでにダニール・マルコヴィチ(グレイヘンガウス)。に贈っています。コーチが気に入るかどうかはわかりませんが。
(多くの専門家が、あなたのことを現行のジャッジ制度において理想的であるとしています。簡単すべきスケーティングと、高い技術的難度について。こういった話は、あなたの役にたつでしょうか、それとも逆に邪魔でしょうか。)
理想的なんていわれても邪魔です。理想には誰もなれないですし、私も言わずもがなです。おそらく、私ほど文句をもらっている選手はいなかったのではないでしょうか。そういった文句はただ現れただけでなく、私がどこか大きく間違っているところがあると理解しています。私に飽きることはないのではないでしょうか(笑)。ですので、その理想というのは、実際は単なるイメージです。
(現時点では来シーズンのことはまったくわかりません。スケジュールも、世界選手権についても明らかではなく、みんなが心配しています。選手についてはいかがですか?)
休んで、休みを終えて、最初から始めるだけです。いつも、3週間と少し休暇をとります。2週間休むと、すぐに復帰できます。3週間だと、遅くなります。それ以上は3週間と同じです。ただ忘れるものがあって、また新たなにそれを探すことになります。昔、チームでは「自分探し」というジョークがありました。それを私たちは今後するわけです。
(「新たに」という言葉は怖くないですか?)
毎回、リンクに戻ると、すべてを初めからやり直します。ですのでなんともありません、なんとかなるでしょう。そういう状況なのは私たちだけではありません。いまは全世界が同じ状況です。
(終わり)
コストルナヤ:私は天使じゃない、私のことではまったくない
(前)世界選手権中止を知って
(後)脳神経外科医の夢/プログラムについて ← この記事
4/16発売 大谷翔平・羽生結弦の育て方 子どもの自己肯定感を高める41のヒント
アリョーナ・コストルナヤ:私は天使じゃない、私のことではまったくない
https://tass.ru/interviews/8236385ヴェロニカ・ソヴェトワ、ウラジスラフ・ジュコフ / TASS /2020/4/15
(続き)
(隔離状況は精神的にはつらいですか?)
はい、とてもつらいです。こんなに家にいることに慣れていませんでした。昨年、怪我の治療をしていたとき(注:ジュニア世界選手権前に足を傷めた)は1ヶ月何もしていませんでしたが、その後は「ああ良かった、リンクだ!何もかもがある!」と。
(並行して勉強もしていますか?)
いまはちょうど時間があるので。学校がサイトを提供してくれて、オンラインで勉強しています。テストを受けるためのサイトがもう一つあります。学校が生徒全員分のプログラムの支払いをしてくれて、私たちはそのプログラムを進めています。ですので、いま家にいる間は、以前はあまり得意でなかった強化を引き上げたり、自分には特に必要のない強化を終わらせる素晴らしい機会です。
(勉強は楽ですか?それともフィギュアスケートのせいで「沈んで」いるものもありますか?)
正直に言えば、この半年で全教科で少し遅れていました。まだ評価点を一つももらってないので、いま積極的に取りに行っています。授業をすべて受けて、個人教師の指導も受けて、宿題を全部して期限前にすべて試験を受けようと頑張っています。教材の中には自分でやらなければいけないくなるものもあります。教室で聞いていても、あたかもまったく説明できていないような説明のときがあるからです。子どももいろいろです。早く覚える子もいれば、そうでない子もいます。ときどき、先生が全員に説明しようと努力した結果、ごった煮ができあがってしまうこともあります。
(脳神経外科…机の上に本がおいてあった映像がありました。)
その本は、有名な脳神経外科医のヘンリー・マーシュの本です。信じられないような人なんです。いまそれを読んでいて、重要な箇所を覚えています。この本がとても好きで、各章が個別の病気に対応しています。そして病気について詳細が述べられていて、例えば、この部分を切って、クリップを取り出し挟んで押してみるとどうなるか。すべてがとても実際的に、そしてわかりやすい言葉で書かれているので、すぐに惹かれました。2巻も持っています。
(つまり、真面目におっしゃってるのですね。)
はい、来年試験を受けるつもりです。そして、あきらめるつもりはありません。この道が、本当に突然に自分に開けて、こんな機会ができたことにとても感謝しています。
(その関心があなたの人生でいったいどうやって起こったのですか?)
9歳か10歳の頃です。母が「グレイズ・アナトミー」のドラマを見ていました。ちょうどいま私も見ていますが。そこで、ちょうど脳神経外科医がいるシーンがありました。そこではすべてを上から映していて、彼らが頭蓋骨を開き、頭蓋骨の一部を取り出して、クリップを取り出し動脈瘤を挟むのです。そして、ああ、血管が破裂してしまうのです。そして周りはすべて大きな音を立て、みんなが右往左往しています。それをすごく頭に残って、そんなキャーキャーいう騒ぎ声まで気に入りました。
(血を見ても怖くないですか?)
いえ、まったく落ち着いていられます。
(あなたのファンが(SNSの)VKontakteのグループでチャレンジを開始しました。プログラムの音楽を提案する必要があるものですが、もしかすると振付に使うこともありますか?)
言うまでもなく、プログラムはコーチと一緒に選びますし、合うか合わないか、自分が氷上でどう見えるかを見てみます。もしかすると、何かしらのアイディア、構成部分の一部が必要になるかもしれません。みなさんは、自分の考えで良いだろうと思うものを提案してくれますが、最後はいずれにせよ選手とコーチの手に残ります。私の場合、なにか好きなものがあれば、「エテリ・ゲオルギエヴナ(トゥトベリゼ)、ダニール・マルコヴィチ(グレイヘンガウス)、お願いします!」と(笑)。断られないとは思います。プログラムを楽しんで滑るのは良いことだからです。
(ここ2年ほどですが、あなたは「クリスタル」の選手の中で、好きなキャラクターでプログラムを滑る数少ないうちの一人ですね。今シーズンのフリーのことですが。映画「トワイライト」のヒロインであるベラ・スワンを演じるということに、あなた自信がこだわったとも言われています。コーチ陣はどのような態度なのでしょうか。)
このキャラクターは、私自身です。つまり、「天使」の振り付けだったとき(注:2018/19、2019/20シーズンのショート)は、私は、それが何なのかを理解して、それを見せる必要があるとわかっていました。ベラで滑っていたときは、もうすでに具体的な私自身なので、何かを変えることは難しいです。ですので、このアイディアは私自身だけのものではなく、エテリ・ゲオルギエヴナ(トゥトベリゼ)にこの考えが降りてきました。この考えは、私がときおり見せる振る舞いや、動作や行動によってもたらされたものです。
アイディアは、なにもないところから決して生まれません。コーチが長い間選手を観察して、選手の中のテーマを振り付けようとしているのです。そのために、プログラムはいつも生き生きと見えるのです。そう、私は天使と呼ばれるのはまったく好きではありません。本当に天使じゃないし、私のことじゃないからです(笑)!
(大きな視点で言えば、何かやってみたいことはありますか?もしかすると、今ではなく、将来に。どの選手にも夢のプログラムがあります。あなたにとっては何でしょうか。)
今はもうそういったプログラムはありません。以前は、まさに「バンパイア」でした。
(来シーズンのプログラムについてはいかがですか?もうアイディアはありますか?)
いまはまったくわかりません。私にとっては、いきなり音楽をかけられて「これがお前のだ」と言われたらすごく驚くことでしょう。アイディアをいくつか、すでにダニール・マルコヴィチ(グレイヘンガウス)。に贈っています。コーチが気に入るかどうかはわかりませんが。
(多くの専門家が、あなたのことを現行のジャッジ制度において理想的であるとしています。簡単すべきスケーティングと、高い技術的難度について。こういった話は、あなたの役にたつでしょうか、それとも逆に邪魔でしょうか。)
理想的なんていわれても邪魔です。理想には誰もなれないですし、私も言わずもがなです。おそらく、私ほど文句をもらっている選手はいなかったのではないでしょうか。そういった文句はただ現れただけでなく、私がどこか大きく間違っているところがあると理解しています。私に飽きることはないのではないでしょうか(笑)。ですので、その理想というのは、実際は単なるイメージです。
(現時点では来シーズンのことはまったくわかりません。スケジュールも、世界選手権についても明らかではなく、みんなが心配しています。選手についてはいかがですか?)
休んで、休みを終えて、最初から始めるだけです。いつも、3週間と少し休暇をとります。2週間休むと、すぐに復帰できます。3週間だと、遅くなります。それ以上は3週間と同じです。ただ忘れるものがあって、また新たなにそれを探すことになります。昔、チームでは「自分探し」というジョークがありました。それを私たちは今後するわけです。
(「新たに」という言葉は怖くないですか?)
毎回、リンクに戻ると、すべてを初めからやり直します。ですのでなんともありません、なんとかなるでしょう。そういう状況なのは私たちだけではありません。いまは全世界が同じ状況です。
(終わり)
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