ロシアからポーランドに国籍を変更し、いまは羽生と同じクリケット・クラブで練習しているエカテリーナ・クラコワの、1月の記事を前後編で紹介します。後編はメドヴェデワやトルソワについて、またポーランドからの招待の経緯、今後のことについて語っています。
クラコワ:国籍を変えたのは、長く滑り続けたいから
(前)ポーランドとカナダ・クリケットクラブ
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アナトリー・サモフヴァロフ / R-Sport / 2020/1/28
(続き)
(一連の才能あるロシア女子たちは、食事のためになぎ倒されました。あなたはこれについてはいかがですか?)
これについては、ロシアのコーチ是認に感謝しています。どうすれば太らずに、カロリーを計算できるかを教えてくれました。もしいま誰かが食事に対する態度を教えなおそうとしたなら、つらいことになるでしょう。私は子供の頃からそういった文化に慣れさせられていたので、いまはまったく困難はありません。
(たくさん食べても太らない、好きな料理はなんでしょうか。)
食べることがあまり好きではありません。好きな料理もないくらいです。そう、食事から満足を得ることはありませんが、チョコレートは例外です。パイやケーキは、いろいろあるクリームと同様好きではありません。ただチョコレートやフルーツグミキャンディは私の弱点です。とはいえ、練習前のチョコレート一口は害ではありません。逆にエネルギーをくれるものです。
(オーサーの下で練習しているエヴゲニヤ・メドヴェデワは、部分的なベジタリアンにもなりましたが、それはイデオロギー的な考えからではなく、コンディション維持の目的です。)
私にはそういったものは合いません。好き嫌いがとても多いんです。例えば、肉類で好きなのは鶏肉と七面鳥だけです。羊肉も、豚肉も、魚も好きではありません。海産物についてはいえば、匂いが耐えられません。すぐに吐き気がします。羊肉や豚肉、牛肉を噛んだら、すぐに吐き出します。
(都合のいい身体ですね。)
競技にとっては。
(メドヴェデワとの交流していますか?)
はい、彼女とは友人と言ってもいいと思います。関係も良くて、彼女は私を支えてくれていますし、私も彼女に対してそうです。
(ロシアではファンの彼女に対する対応は複雑で、好きな人もいれば嫌っている人もいます。)
どんな選手にも好意的な人も敵対的な人はいます。誰のインスタグラムでも、あらゆるコメントを見つけることはできます。
(ジェーニャ(メドヴェデワ)が「私はやり切った」と言って、彼女は目標を達成し競技上の成功にたどり着けるのはどんなときだと思いますか?)
彼女はもうそう言えるでしょう。ジェーニャは偉大なフィギュアスケーターで、信じられないような成績を達成しています。2度の世界女王、2度のヨーロッパ女王、2度のグランプリファイナル優勝、オリンピックのメダルを2つ持っています。彼女が獲得できなかったものはあるのでしょうか…。彼女が凄いのは、そのメダルだけではなく、競技への向き合い方です。彼女の練習、人生へのアプローチに関しても、彼女は偉大な方です。私はジェーニャを模範としています。
(現代の女子スケートで、4回転なしで現在のトップ選手と競うことは可能でしょうか?いますぐでなくて、ある程度の時間が経ってからだとしても。)
可能だと思います。フィギュアスケートはジャンプだけでなく、スピン、ステップシークエンス、PCSから構成されています。ジャンプだけにこだわらないのが重要ですが、いずれにせよ4回転が跳べれば楽でしょう。とはいえ、みんな間違いはするものですし、3回転と難しいコンビネーションでクリーンに滑り、氷上で興味深いイメージを作ることができれば、良い順位を落ち着いて争うことはできます。
(この欧州選手権に来て、自分は4回転や3Aを持つ他の選手にかかっていると感じることはありませんか?)
そういった感覚はありません、順位のことを考えたことがないからです。最近チャレンジャーのワルシャワ・カップに出たときも、優勝するなんて期待していませんでした。大会には凄く強力なアメリカのブレイディ・テネルがいたからです。でも私はクリーンに滑りきって、彼女のような評価を受けることができました。
(3Lz+3Loのコンビネーションが良いですね。)
ありがとうございます。そう、ちょっと改善して安定するようになりました。このコンビネーションをクリーンに跳べれば、4回転と同じくらいの価値になります。それに、プログラムにはルッツ・オイラー・フリップもあります。
(何か野望はありますか?)
本当に真面目に考えているものが。最後まで戦って、目標と夢に向かいます。
(どんな夢ですか?)
私の夢です。具体的なことは明かしたくありませんが、競技とも、単に人生とも関係していることです。
(普通、そういった夢はオリンピックですが。)
私の場合はそれだけではありません。
(サーシャ・トルソワがまだ小さかった頃、彼女はすでにオリンピックで優勝したいと言っていました。)
みんなそうでしょう。ただ、私の場合は、何かで優勝するということに力点を置いているというよりも、たぶん自分を表現したいというところにあるのだと思います。自分は強い選手だと証明したいと。この先それを見せていきます。
(エストニアの選手は、トップ8に入ればみんな喜ぶというのを聞いたことがあります。ポーランドは何かあなたに対し要求していますか?)
そういったプレッシャーはまったくなく、「お前はこうしなければいけない!」といった精神で言われたことは誰にもないです。
(招待されたときに何か希望は言われましたか?)
ポーランドのフィギュアスケート連盟の前会長が、国内大会で私のことを見て気に入ったところからすべてが始まりました。連絡先を交換して、その後他国の代表となる問題が生じたときに、ポーランドを選びました。私は新たな肩書をもってポーランドに来たとき、「帰ってきましたね!」という言葉で出向かえていただきました。みなさん、私のことを自国の選手のように喜んでくれました。
(ロシア女子のなかで誰が一番好きですか?)
何か挑発的な質問ですね。
(何故でしょう?女子選手はよく「カロリーナ・コストナーが大好き」と言いますよ。)
私もカロリーナ・コストナーには強くインスピレーションをもらっています。また、ロシア女子のどの選手にも、学ぶところがあると思います。彼女たちから、気に入ったところをお手本にしようとしています。ただ、扇情的な真似やパロディは誰もしないようにしています。例えば、サーシャ・トルソワは信じられないようなジャンプがあります。彼女を見てると、成長して4回転を頑張ろうというモチベーションをもらえます。
(アレクサンドル・ズーリン・コーチは、初めてトルソワのクワドルッツを見たとき、「あまりにも軽く跳んだので3回転かと最初は思った」と告白しました。初めてサーシャの4回転をみたときはどんな気持ちになりましたか?)
それが起こったときは、私もロシアでクワドサルコウを練習していたので、あまりそれに意味を与えませんでした。ショックを受けるようなコンテンツとは受け取りませんでした。私もリンクで悪くない練習をしていて、良いときもありましたので。
(今のクワドサルコウの状況は。)
練習していますが、まだ安定していません。私たちは少し技術を変えたので、少し遠ざかりました。
(年齢とともに4回転を跳ぶのが難しくなるのでは。)
私はこんなに小さいので(注:身長は152cm)、そういった問題はないと思います。年が経つにつれて、自分を4回転に取り組ませることが難しくなるというのはあるでしょう。けれど、17歳でもう年だと思ったことはありません。今は、17歳で引退できるという方向に向かっていますが、私はそうは思いません。あなたが例に挙げた、31歳まで滑りきったカロリーナ・コストナーの方が、私にとってははるかに大きな憧れです。31歳ですよ。喜ばずにはいられません。私も長い選手生活を望んでいて、それも国籍を変えた理由の一つです。フィギュアスケートで記憶に残る人になりたいのです。
(終わり)
クラコワ:国籍を変えたのは、長く滑り続けたいから
(前)ポーランドとカナダ・クリケットクラブ
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エカテリーナ・クラコワ:国籍を変えたのは、長く滑り続けたいから
https://rsport.ria.ru/20200128/1563983015.htmlアナトリー・サモフヴァロフ / R-Sport / 2020/1/28
(続き)
メドヴェデワは自分にとっての模範
(一連の才能あるロシア女子たちは、食事のためになぎ倒されました。あなたはこれについてはいかがですか?)
これについては、ロシアのコーチ是認に感謝しています。どうすれば太らずに、カロリーを計算できるかを教えてくれました。もしいま誰かが食事に対する態度を教えなおそうとしたなら、つらいことになるでしょう。私は子供の頃からそういった文化に慣れさせられていたので、いまはまったく困難はありません。
(たくさん食べても太らない、好きな料理はなんでしょうか。)
食べることがあまり好きではありません。好きな料理もないくらいです。そう、食事から満足を得ることはありませんが、チョコレートは例外です。パイやケーキは、いろいろあるクリームと同様好きではありません。ただチョコレートやフルーツグミキャンディは私の弱点です。とはいえ、練習前のチョコレート一口は害ではありません。逆にエネルギーをくれるものです。
(オーサーの下で練習しているエヴゲニヤ・メドヴェデワは、部分的なベジタリアンにもなりましたが、それはイデオロギー的な考えからではなく、コンディション維持の目的です。)
私にはそういったものは合いません。好き嫌いがとても多いんです。例えば、肉類で好きなのは鶏肉と七面鳥だけです。羊肉も、豚肉も、魚も好きではありません。海産物についてはいえば、匂いが耐えられません。すぐに吐き気がします。羊肉や豚肉、牛肉を噛んだら、すぐに吐き出します。
(都合のいい身体ですね。)
競技にとっては。
(メドヴェデワとの交流していますか?)
はい、彼女とは友人と言ってもいいと思います。関係も良くて、彼女は私を支えてくれていますし、私も彼女に対してそうです。
(ロシアではファンの彼女に対する対応は複雑で、好きな人もいれば嫌っている人もいます。)
どんな選手にも好意的な人も敵対的な人はいます。誰のインスタグラムでも、あらゆるコメントを見つけることはできます。
(ジェーニャ(メドヴェデワ)が「私はやり切った」と言って、彼女は目標を達成し競技上の成功にたどり着けるのはどんなときだと思いますか?)
彼女はもうそう言えるでしょう。ジェーニャは偉大なフィギュアスケーターで、信じられないような成績を達成しています。2度の世界女王、2度のヨーロッパ女王、2度のグランプリファイナル優勝、オリンピックのメダルを2つ持っています。彼女が獲得できなかったものはあるのでしょうか…。彼女が凄いのは、そのメダルだけではなく、競技への向き合い方です。彼女の練習、人生へのアプローチに関しても、彼女は偉大な方です。私はジェーニャを模範としています。
(現代の女子スケートで、4回転なしで現在のトップ選手と競うことは可能でしょうか?いますぐでなくて、ある程度の時間が経ってからだとしても。)
可能だと思います。フィギュアスケートはジャンプだけでなく、スピン、ステップシークエンス、PCSから構成されています。ジャンプだけにこだわらないのが重要ですが、いずれにせよ4回転が跳べれば楽でしょう。とはいえ、みんな間違いはするものですし、3回転と難しいコンビネーションでクリーンに滑り、氷上で興味深いイメージを作ることができれば、良い順位を落ち着いて争うことはできます。
(この欧州選手権に来て、自分は4回転や3Aを持つ他の選手にかかっていると感じることはありませんか?)
そういった感覚はありません、順位のことを考えたことがないからです。最近チャレンジャーのワルシャワ・カップに出たときも、優勝するなんて期待していませんでした。大会には凄く強力なアメリカのブレイディ・テネルがいたからです。でも私はクリーンに滑りきって、彼女のような評価を受けることができました。
(3Lz+3Loのコンビネーションが良いですね。)
ありがとうございます。そう、ちょっと改善して安定するようになりました。このコンビネーションをクリーンに跳べれば、4回転と同じくらいの価値になります。それに、プログラムにはルッツ・オイラー・フリップもあります。
トルソワは成長へのモチベーション
(何か野望はありますか?)
本当に真面目に考えているものが。最後まで戦って、目標と夢に向かいます。
(どんな夢ですか?)
私の夢です。具体的なことは明かしたくありませんが、競技とも、単に人生とも関係していることです。
(普通、そういった夢はオリンピックですが。)
私の場合はそれだけではありません。
(サーシャ・トルソワがまだ小さかった頃、彼女はすでにオリンピックで優勝したいと言っていました。)
みんなそうでしょう。ただ、私の場合は、何かで優勝するということに力点を置いているというよりも、たぶん自分を表現したいというところにあるのだと思います。自分は強い選手だと証明したいと。この先それを見せていきます。
(エストニアの選手は、トップ8に入ればみんな喜ぶというのを聞いたことがあります。ポーランドは何かあなたに対し要求していますか?)
そういったプレッシャーはまったくなく、「お前はこうしなければいけない!」といった精神で言われたことは誰にもないです。
(招待されたときに何か希望は言われましたか?)
ポーランドのフィギュアスケート連盟の前会長が、国内大会で私のことを見て気に入ったところからすべてが始まりました。連絡先を交換して、その後他国の代表となる問題が生じたときに、ポーランドを選びました。私は新たな肩書をもってポーランドに来たとき、「帰ってきましたね!」という言葉で出向かえていただきました。みなさん、私のことを自国の選手のように喜んでくれました。
(ロシア女子のなかで誰が一番好きですか?)
何か挑発的な質問ですね。
(何故でしょう?女子選手はよく「カロリーナ・コストナーが大好き」と言いますよ。)
私もカロリーナ・コストナーには強くインスピレーションをもらっています。また、ロシア女子のどの選手にも、学ぶところがあると思います。彼女たちから、気に入ったところをお手本にしようとしています。ただ、扇情的な真似やパロディは誰もしないようにしています。例えば、サーシャ・トルソワは信じられないようなジャンプがあります。彼女を見てると、成長して4回転を頑張ろうというモチベーションをもらえます。
(アレクサンドル・ズーリン・コーチは、初めてトルソワのクワドルッツを見たとき、「あまりにも軽く跳んだので3回転かと最初は思った」と告白しました。初めてサーシャの4回転をみたときはどんな気持ちになりましたか?)
それが起こったときは、私もロシアでクワドサルコウを練習していたので、あまりそれに意味を与えませんでした。ショックを受けるようなコンテンツとは受け取りませんでした。私もリンクで悪くない練習をしていて、良いときもありましたので。
(今のクワドサルコウの状況は。)
練習していますが、まだ安定していません。私たちは少し技術を変えたので、少し遠ざかりました。
(年齢とともに4回転を跳ぶのが難しくなるのでは。)
私はこんなに小さいので(注:身長は152cm)、そういった問題はないと思います。年が経つにつれて、自分を4回転に取り組ませることが難しくなるというのはあるでしょう。けれど、17歳でもう年だと思ったことはありません。今は、17歳で引退できるという方向に向かっていますが、私はそうは思いません。あなたが例に挙げた、31歳まで滑りきったカロリーナ・コストナーの方が、私にとってははるかに大きな憧れです。31歳ですよ。喜ばずにはいられません。私も長い選手生活を望んでいて、それも国籍を変えた理由の一つです。フィギュアスケートで記憶に残る人になりたいのです。
(終わり)
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