ロシア選手権2019女子シングルで7位に入ったエヴゲニヤ・メドヴェデワのインタビューがSport Expressに掲載されていましたので紹介します。
フリーの演技直後、最終順位が決定する前のインタビューのようです。
フリーの演技直後、最終順位が決定する前のインタビューのようです。
エヴゲニヤ・メドヴェデワ:このうまくいかない状況すべてが、私の目を開かせてくれた
Sport-Express / 2018/12/22
(様々なコメントがありましたが、その愛にどう応えましたか?)
(笑)愛に応えました、ですか!きょうはただその中を泳いでいました。
(この1日、どう過ごされましたか?)
気をそらそうと努力しましたが、同時にプログラムへ集中を維持しようとしていました。
(ここへは良いコンディションで来て、練習でもそれを見せていました。頭を大会にどうやって調整する必要があるのか、自分への結論は出ましたか?)
そんな数式は見つけていません(笑)。自分と、周りにいる人達を信じる必要があるということを学びました。何をするのかとは関係なく。
(偉大な金メダリストの経験でさえも示しているように、シーズン途中でプログラムを変えることは、必ずしも良い方向に働くとは限りません。ショートプログラムを変えるに至った経緯は。)
プログラムの変更は良い方向に働いたと思っています。自分にとってより演じやすいイメージを見つけましたし、プログラム自体も気に入っています。昨日も悪くない演技でした。不調だったジャンプについて言っているわけではありません。技術的、精神的問題はあります。みなさんよくわかってらっしゃると思いますが。
(昨日、コメントを読むためにSNSを確認した経緯を教えてください。)
そう!ロシア選手権前に、演技後はSNSに戻ると決めました。今日はインスタグラムでライブをしようと思っています(笑)。SNSには、私を応援してくれる人がとてもたくさんいます。否定的なものはかなり減ったと気づきました。これは嬉しいことです。何か言って隠れてしまう人たちは現れます。けれど、その数はどんどん減っています。というのも、とても強く、賢く、言葉に対して厳しいファンが私にはいるからです。そういった人はすぐにいなくなってしまいます。
(あなたのファンクラブが数百本のバラを使ったフラッシュモブを準備していることを知っていましたか?バッヂをみんなに配っていました。)
正直に言うと、今日、SNSに入ったときに初めて知りました。その意味や、何を配っていたのかは最後まではわかりませんでした。バラは私のところに来ましたが(笑)。
(以前、あなたはいつも自信を持ってリンクに入っていました。今シーズンは緊張が現れています。どこから緊張が出てくるのでしょうか。)
緊張がなかったとは言えません。緊張はありました。大会前に膝が震えていたこともあります。まず、正直に言うと、リンクサイドに別な人たちが立っているのが影響しています。振り返ると、そこには別な人が立っているのです。移籍からあまり時間が経っていません。以前はまだ若く、自分で自分自身と緊張に対処するのが楽でした。いまは新しい方法を探す必要があります。時には尽きてします耐久性の余裕といった言葉はやはりあると思います。精神的な耐久性の余裕が、一番脆弱です。
(あなたのスタイルも、人生に対する態度も、精神性も変わってきています。どれだけ以前のジェーニャ(メドヴェデワ)と、どれだけ新しいジェーニャを私たちはいま見ているのでしょうか。)
わかりやすい例を挙げてみます。昨日、SPの練習前にホールでウォームアップをしていたときに、コーチたちが来て一人が挨拶しました。私は振り返って、大きな声で「おはようございます」と言いましたが、彼は反応もしませんでした。その後で、「私に挨拶したのですか?」と訊いてきたので、そうですと言いました。彼は、「反応できなくてすみません。あなたがそんなに素晴らしく、オープンであることにただ慣れていなくて。いつも挨拶をして、微笑んでいたりもしますが、1年前はそんな人だと考えるのもできませんでいたから。」と言いました。これが、私にとっては、私がどう変わったかの明らかな例です。これは、私をスケーターとして興ざめさせることなく、ただ前に進む手助けになってくれればと思っています。
(あなたにとっては、ロシア選手権で最終的に何位になるかは重要ではないのでしょうか。)
いまはもう重要ではありません。ショートで14位ですから、10位でも嬉しいです(笑)。
(現在のジャッジ制度では、簡単にもっと上に上がれるでしょう。)
そうなると良いですが、まだ2グループ残っていますから。
(昨日、演技後にタチヤナ・タラソワがあなたのところに行きましたね。彼女はあなたに、応援の言葉を述べたのでしょうか、それとも、何か貴重な助言でも?)
どちらもです。もちろん彼女の言うことをよく聞きました。タチヤナ・アナトリエヴナ(タラソワ)はとても強く支えてくれていますし、インスピレーションを与えてくれます。彼女は今朝の練習にも来ていたんです!ブライアン(オーサー)の隣に立っていました。振り返って、ブライアン・オーサーとタチヤナ・タラソワがいる!と気づいて変な気持ちになりました。
(怖かったのでしょうか。)
いいえ、反対に、こんな人たちからこんなに支えてもらっていることが、私の中の何かに火を点けました。それから、昨日キスクラに来て応援してくれたアレクセイ・ヤグディンにも感謝したいです。
(あなたのことは観客席も同じように応援していましたが、SNSでは多くの否定的な意見があります。もしかすると、ファンが戦斧を振るよう呼びかけているのでは?)
私は、誰かに何かを指令するような権利は持っていません、そんな人間です。人にはそれぞれ自分の意見があり、自分の性格があります。もしかすると、家族に問題がある人が、自分のネガティブさをサイト上で私に向けようとしているのかもしれません。誰にも何かを呼びかけようとはしていません。私は、「ネガティブなコメントはやめよう」という看板を持って抗議活動を組織するような社会的活動者ではありません。そんなことは無益なことです。人はみな肩の上に頭があって、ありがたいことに、いま観客席に座ってフィギュアスケートを見ている私の本当のファンのみなさんは、頭には何の問題もありません。
(あなたがオーサーのところに移籍したとき、おそらくそれがどのように見えるのか、周りで何が起こるのかについては想像されていたのでしょう…。)
そういった予想は、まったく現実にはなりませんでした。
(カナダで驚いたことを3つ挙げてください。)
最初に、「カーリング・クラブ※」の外見です。写真や動画でリンクを見たことがあるだけでした。私たちが車でリンクの近くに行って、「リンクはどこですか?」と尋ねたら、クラブは、木の屋根がついた普通の住居のようでした。「カーリング・アンド・スケーティング・クラブ」と書かれたアーチがありました。
(訳注※クリケットのことでしょうか?)
中に入ると、そこには巨大な空間があって、そこにカーリングのリンクとフィギュアスケートのリンクが隣り合っています。つまり、パンドラの箱のように、中に入ったら2階建てのトレーニングジムがあるとは思わないでしょう。いったいどうやってこんな小さな建物にすべてが入っているのかがわかりません。
2つ目は練習時間です。セッションはとても短く、50分から1時間ですが、そこでは体力がある限り好きなだけ滑れます。8時、9時、11時から夜の7時まで滑れます。ブライアンとトレイシーとは通常2回、午前11時と午後2時に練習します。
3つ目は、リンクにきたときには、みんな私のことを待っていたのがわかったことです。みんなリンクに来て、私を見て走ってきて、「ジェーニャ、こんにちは!」って言ってくれました。私は彼らが誰かもわからないのに。カナダになじまなければならないということもなく、まるで家に帰ってきたかのようでした。2-3日後にはもうみんなと話すようになりました。
(英語のレベルは、コーチたちとの練習でニュアンスすべてが理解できるのに十分でしょうか。)
もちろんです。いかなる障壁もありません。
(3ヶ月間、大会ではあまりよい経験がなかったことがは、成熟という意味で影響を与えたのでしょうか。)
多くの素晴らしい人たちが周りに現れました。全員の名前を挙げることはできませんが、とてもたくさんの先生を見つけました。それは、経験のあるなしにはかかわらず、交流している人たちのことです。こういった成功とは言えない状況すべてが、周りにいる人たちから何を学ぶことができるのかを見る目を開かせてくれました。
(終)
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