ロシア・フィギュアスケート連盟公式サイトに掲載された、ロシア選手権2021で優勝したコリャダのインタビューを前後編で紹介します。今回は後編です。
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ミハイル・コリャダ:頭にはっきりとした確信ができあがった。後ろに道はなく、20年間やってきたのとまったく同じことをしていたら、ちょっと変えるくらいでどんな意味があるのかということを。
(続き)
(4年前、ここチェリャビンスクで、初めてロシア選手権優勝のタイトルを獲得されました。おそらくその思い出に心が温まったのではないでしょうか。)
なぜ思い出す必要があるのでしょう。こんな比較ができるかどうかわかりませんが、「カンフー・パンダ」で、亀の導師が「昨日とは過去のもの。明日とは未知のもの。今日の日はもうけもの。それは天からの贈り物」と言っていました。いまここで起こっていることだけを考える必要があります。ええ、もちろん、4年前も私はチェリャビンスクにいました。すべて良かったです。リンクも、ホテルも、街も知っています。けれど、それも過去のことです。もう歴史になったことです。前に進んでいかなければなりません。
(ロシア選手権直前に病気になっていらっしゃいましたね。)
数日間、熱がありました。
(これまで、サランスクでのロシア選手権は病気の直後に出場されていました。そういった状況で大会に出るのは、身体的と精神的と、どちらが辛いですか?)
大会はいつも大変です。しかもロシア選手権なのですから。私は身体の方が大変でした。とはいえ、自分がどんなふうに感じているのとか、どんなふうに食べたのか、寝たのかとかは考えていませんでした。ただ、リンクに入ってすべきことをする、というだけです。
(ロシア選手権での演技を分析していただけますか?)
コーチとはまだ分析をしていません。アレクセイ・ニコラエヴィチ(ミーシン)に、考えて分析する時間が必要です。私もすべてを認識して分析する必要があります。それで会って、結論を共有します。
(チェリャビンスクでのロシア選手権には、パートナーのダーシャがいらっしゃっていましたが、彼女もフィギュアスケート選手です。このことが手助けになりましたか?)
99%そうです。1%は、自分自身で何かを表現しようとしたことです。まあ、彼女が隣りにいるとなにか特別な気分になります。一緒ならどこにいても、自分が家にいるようですべて大丈夫という気になります。
(あなたの演技について話したりはしますか?)
話せないようなテーマはありません。
(練習から帰ってきたあとに「今日の仕事」については。)
家ではもちろん、練習のことや、それについての考えを彼女と話しています。
(ダーシャのご意見は聞き入れていますか?)
生活については、いつもそうです。練習については、彼女は私に助言したことはまったくありません。
(自分のしている内容に精通していて、何をしているのかを理解している人が隣にいるというのは素晴らしいことです。演技後のインタビューで、毎回すべてがどんどん面白くなってきているとおっしゃられていましたが、具体的には。)
自分の力を試すことがどんどん面白くなってきているということです。どの大会も一定の難しさがあり、それを克服するのが面白いのです。ソチでは独特のニュアンスがありましたが、ここでは少し違っています。プログラムのコンテンツは大きく変わっていないのかもしれませんが、自分の中では、特にアプローチや準備は違っています。記者会見で、自分の中でどこが変わったのかと尋ねられました。そう、変わりました。けれど、それもまたあまりに自分の奥深くのことで、それを言葉にすることができないのです。そしてこのプロセスは、こんな表現をしてよければですが、自分をつかむこと、自分をコントロールするということで、毎回特別なものなのです。テストスケートでも、ソチでのロシアカップ第3戦でも、すべてまったく同じなんてことはなく、まったく同じ演技というものはありえません。とはいえ、毎回一定のシステムで調整しようとはしているのですが。
(フィギュアスケーターは、同じ演目を毎回違うふうに演じる俳優のようなものですから、そんなことはありえないのかもしれませんね。)
もちろん、大会ごとに感覚は変化するので、それが面白いのです。
(ミーシャ、ありがとうございました!ご成功を!)
(終わり)
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