GPS中国杯3位となったエリザヴェータ・トゥクタムィシェワのインタビューがTASS通信に掲載されていましたので、前後編で紹介します。
後編は、年齢と目標と引退についてです。
トゥクタムィシェワ:最高齢の女子シングル選手という地位は個性を加えてくれる
(前)ジャッジとフリーの変更、4Tについて
(後)最高齢の女子シングル選手/目標と引退 ← この記事
11/27発売 山口真一/奇跡なんて、起きない。 フィギュアスケートマガジン取材記2015-2019
後編は、年齢と目標と引退についてです。
トゥクタムィシェワ:最高齢の女子シングル選手という地位は個性を加えてくれる
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エリザヴェータ・トゥクタムィシェワ:最高齢の女子シングル選手という地位は個性を加えてくれる
ウラジスラフ・ジュコフ / TASS / 2019/11/11
(続き)
(グランプリアメリカ大会でも3位になられましたが、その後アレクセイ・ニコラエヴィチ(ミーシン)はあなたのことをシニア女子スケーターにとっての導きの星だと言いました。模範例であるということは、どんなものでしょうか。)
それなりの責任があるものです。しかし同時に、これまでの苦労すべてが無駄ではなかったということは嬉しいです。いずれにせよ、私のことを好きで尊重してくれる人がいるのだから、このスポーツでこんなに長く戦い、滑っていることも無駄ではありません(笑)。とても素晴らしいことで、言うまでもなく嬉しいことです。
(年齢のテーマを続けます。私はあなたと同い年なのですが、率直に言うと、あなたの年齢についていろいろなことが書かれているのを読むとちょっと驚きます…)
まあ、普通の人にとっては多分そうでしょうね(笑)。
(しかし、本当に年齢は影響があり、演技はよりつらくなったのでしょうか。)
いいえ、よりつらいわけではありませんが、ただ難しいエレメンツを多くするのが身体的に難しくはなりました。トリプルアクセル2つをフリーに組み込むのさえ、精神的にも身体的にもかなり難しいものでした。重大なジャンプだからです。そして、難しいコンビネーションや後半にオイラーのコンビネーションをまとめるのも、そんなに簡単ではありません。
もちろん、自分でも14歳のとき、ジュニアとシニアのグランプリで優勝していた頃を覚えています。フリーを滑りきってもなんともありませんでした。つまり、その後でもう一度リンクに入って演技ができたくらいです。いまなら、「いいえ、何言ってるんですか!休ませて!」と言うでしょうね(笑)。
(あなたは何度も年齢のテーマについてジョークにしてきましたが、正直におっしゃっていただきたいのですが、トゥクタムィシェワはもちろん悪くないけどもう何歳になるんだ?と言われると、悔しくはないのでしょうか。)
いいえ、悔しくはないです。自分ですべて経験してきましたから。私には、私のシーズンといえるものがありました。いや、逆に、いまや私が世界で最高齢の女子シングル選手だというのは面白いです。これはなんらかの個性をあたえてくれるもので、私を釘付けにするものです。年齢については…いつだって何か言われるものです。どんな年齢だって、どんな見た目だって、いつだって何かは言われます。それにはシンプルに対処しなければなりません。
(しかし、キャリア史上ほぼ最高のコンディションにあるということですが…。)
ええ、でもそれは、私はそれでも小さいということにすべて関連していると思います。1メートルに帽子を被ったくらい(笑)。
(フィギュアスケートでなにか目標はありますか?)
わかりません…。自分の中に力を感じているうちは、戦うし、滑り続けます。具体的な目標はありませんが、いまはたぶんオリンピックです。人のことについていえば、目標はこれまでも、子供の頃もいまもいません。映画や音楽関係についてもいません。誰にも狂ったことはありませんし、知らない人を一体どうやって愛することができるのかもわかりません。
一方で、フィギュアスケートファンには感謝しています。ファンはとてもたくさんいるのです。私がファンになる人はいませんが、立派な選手、立派な人になれるよう努力しています。そして、先週よりももっとよくなれるよう頑張っています。
(あなたにはキャリア上でたくさんのタイトルがあります。しかし、もしかすると、あなたが達成したいものがまだ何か残っているのではないでしょうか。)
もちろん、オリンピックのメダルです。
(つまり、北京という目標は維持されているということでしょうか。そして、北京五輪までは確実に演技を続けると。)
ええ、もちろんです。
(その後は?)
様子をみましょう。将来のことはまったく占ったりはしません。
(多くの選手は、引退の見通しに怯えています。引退後についてすでに考えていましたか?)
とても難しい問題です。一つのことにとても長く取り組んで、自分の人生を捧げていると、その後のことを考えるのはとても恐ろしいことです。しかしいまは、将来のことをなんとか目に見えるものにしようとしちえます。が、いまのところ話したくはありません。いつかお知らせするかもしれませんが、今は秘密にしておきたいのです。
(終わり)
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