「プルシェンコへの移籍はトルソワの両親が提案」1年半沈黙のロザノフ・コーチが率直に語る(2)選手指導と多回転ジャンプ

2021年6月4日金曜日

2020/21 エロホフ コストルナヤ シチェルバコワ チェン トルソワ ミーシン ロザノフ 鍵山優真

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エテリチームで指導をし、プルシェンコ・エンジェルズに移籍したロザノフ・コーチのロング・インタビューがSport24に掲載されていましたので、何回かにわけて紹介します。第2回は、エテリチームでの指導と多回転についてです。


「プルシェンコへの移籍はトルソワの両親が提案した」1年半沈黙していたロザノフ・コーチの率直なインタビュー

(1)エテリチームに入った経緯

(2)選手指導と多回転ジャンプ ← この記事

(3)トルソワ・コストルナヤの移籍

(4)プルシェンコチーム


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「プルシェンコへの移籍はトルソワの両親が提案」1年半沈黙のロザノフ・コーチが率直に語る

https://sport24.ru/news/figureskating/2021-06-01-trener-sergey-rozanov-intervyu-o-perekhode-aleny-kostornoy-aleksandry-trusovoy-ot-eteri-tutberidze-k-yevgeniyu-plyushchenko

2021/6/2 / Sport24 



続き


(年少グループだけ指導していたのですか?)


セルゲイ・ヴィクトロヴィチ(ドゥダコフ)、エテリ・ゲオルギエヴナ、ダーニャ(グレイヘンガウス)がいないときは年長グループの指導もしました。例えば、2018年のオリンピックのときは私は全グループとともに一人で残っていました。1ヶ月以上も。私は選手とロシアカップ・ファイナルに行き、その後選手たち(アレクセイ・エロホフ、アリョーナ・コストルナヤ、アレクサンドラ・トルソワ)はジュニア世界選手権へと飛び立ちました。



(つまり、その大会に向けてはあなたが一人で指導をしていたのですか?)


そうです。そのときは、まだ半年しか働いていないのに、ジュニア世界選手権に向けて準備をすすめる選手たちが残されてしまったと思いました。「自分じゃ対応できないと思う」と言ったら、ダーニャとエテリは「大丈夫、できる」と答えました。


結果として、リョーシャ(エロホフ)とサーシャ(トルソワ)は1位となり、アリョーナが2位でした。トルソワはちょうどそのときフリーで2つの4回転を見せました。これは女子フィギュアスケート史上初のことでした。彼女とはそのプログラムをたくさん滑り込みました。彼女には、「跳ぶ、跳ぶ、跳ぶ」という目標がありました。4回転からのつなぎに多くの労を割き、結果としてうまくいきました。



(「クリスタル」の女子のクワドルッツは、一部あなたのアイディアだとうかがいました。)


アイディアというほどのものではありません。サーシャ・トルソワはトリプルルッツをかなり高く跳んでいましたし、回転も速かったのです。ある日、釣り竿を使って4回転を試してみることにしました。そして、確かその日のうちに釣り竿なしでも試してみて・・・そして跳べたのです!この最も難しいジャンプにかかったのは文字通り1-2日でした。


トルソワはすでに4回転向けてきちんと準備ができていました。これは、エテリ・ゲオルギエヴナのコーチ陣と、トゥトベリゼまでにトルソワの指導をしてきたコーチたちの仕事です。彼女には最初から、一定の身体的コンディションと練習量を積めば4回転が跳べるような、ルッツの技術を身につけさせていたのです。




(アーニャ・シチェルバコワの習得も同じように簡単だったのでしょうか?)


彼女は怪我をしていて、そのせいで1シーズンまるごと休んでいました。そして、アーニャにとって、クワドルッツを習得すること、ロシア女王に3度輝くこと、世界女王となることは、極めて多くのことを意味しています。彼女は練習好きでがんばり屋なので、そういったことを経験できたのです。言うまでもなく、アーニャはファイターです。



(あなたにとって、世界最強のコーチのいる最強のスクールに入れたことは、どんな意味だったのでしょうか。)


それについては冷静に見ています。毎日学ぶこと、改善していくことができたというのは素晴らしいことでした。エテリ・ゲオルギエヴナのグループには、前人未到の場所に行ける素材があります。そういった機会が現れれば、実験したり、新しいことを試してみたりするでしょう。選手も大きな目標を立て、自分をなげうっています。自分のミスを修正するのも、新しいことに挑戦するのも早いのです。例えば、トルソワは2日でクワドルッツ。私達はショックを受けました。



(技術コーチとして、あなたに最も影響を与えたのは誰でしょうか。)


まず、私が指導を受けていたコーチであるイーゴリ・セルゲエヴィチ・ルサコフです。残念ながら亡くなれていますが。とても面白い経験を語られていました。それから、アレクセイ・ニコラエヴィチ・ミーシン。彼の本は興味深く、自分のためにたくさんの箇所に下線を引けます。全部は読み切れていませんがたくさん読みました。


大きな役割を果たしたのがヴェラ・アナトリエヴナ・アルチュニアンです。私がコレスニコフの指導をしていたときに彼女はモスクワにきて、いくつか助言をいただきました。「どうして?こっちでは違うふうに教えられたのに」と思いました。しかし、私がトゥトベリゼ・グループに入ったあとで、それを4回転ルッツやトウループで試したみたところ、素晴らしい踏切りとなったのです。それでいま、選手の指導をする際にはその2つの助言を基礎としています。それについては言いません。秘密です。



(5回転ジャンプは現実的なのでしょうか。)


現実的だと思います。ただ、選手は自己防衛本能を少しオフにしなければなりません。最近の世界選手権で、日本の鍵山優真が、フリーで他の選手がもうトリプルに移行する時間に2つめのクワドトウループを跳びました。回転がとても速く、高さもありました。彼には5回転はまったく現実的です。



(フィギュアスケートはいったいどの方向に向かっているのでしょうか。)


4回転が増えました。ネイサン・チェンはフリーで5-6本です。女子も4回転をたくさん跳んでいます。10-12歳のノービスレベルでもです。しかし、5回転に行くのも怪我の危険性が高いです。大体4回転も同じですが。


アーティスティック・プログラムとテクニカル・プログラムを作りたいという話が聞こえてきました。ショートで4回転とトリプルアクセルが認められることをを多くの選手が望んでいます。一方で、西側のコーチから聞いた話では、多くのコーチがフィギュアスケートからホッケーへと転職しているとのことです。ヨーロッパでも似たような状況です。すべての選手が4回転を跳べるわけではありません。ですので、プログラムを分けるというアイディアは悪くないと思っています。それぞれの国でフィギュアスケートが凋落しないためにも。


続く



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