エテリチームで指導をし、プルシェンコ・エンジェルズに移籍したロザノフ・コーチのロング・インタビューがSport24に掲載されていましたので、4回にわけて紹介します。最終回の第4回は、ネイサンやプルシェンコチームについてです。
「プルシェンコへの移籍はトルソワの両親が提案した」1年半沈黙していたロザノフ・コーチの率直なインタビュー
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「プルシェンコへの移籍はトルソワの両親が提案」1年半沈黙のロザノフ・コーチが率直に語る
2021/6/2 ／ Sport24
（続き）
（プルシェンコ・アカデミーはいかがですか？）
自分のグループがあって、すべて満足しています。年明けから私のところにウラジーミル・リトヴィンツェフが移籍してきました。電話で支援が依頼されたのです。この先世界選手権があると言って。それまで彼はどこかの一般営業で練習をしていました。
最近、サンクトペテルブルクからレオニード・スヴィリデンコが移籍してきました。そう、彼は5本の4回転を跳びます。けれど、私たちのチームから大会に出るのは精神的に大変だったようです。おそらく、「プルシェンコ・エンジェルズ」への移籍はすべて大きく議論されていたことに関係しています。移籍に関連してみんなが彼に偉業を期待していると彼は考えていました。もしかするとそれが邪魔をしたのかもしれません。練習では、フリーでクワド3本、ショートでは2本跳んでいました。今シーズンはスケーティングの練習を多くしました。彼の押しやターンでの体勢に私は不満でした。来シーズンは何かうまく見せられると思います。
（世界選手権ではネイサン・チェンと同じ練習グループでしたね。いかがでしたか？）
トゥトベリゼのところで仕事をして、もう驚くことは何もないと思っていました。しかし、チェンの練習を見たら・・・ショックでした。1回の練習で、あまり休みを置かずに2回フリーを通せることを驚きました。しかも、あの4回転5本を入れてクリーンにです。そしてクワドは楽に無理なく跳んでしました。その背後にはネイサンとラファエル・ウラジーミロヴィチ（アルチュニアン）がやってきたことがたくさんあることがわかります。どれだけの時間を注ぎ込んできたのかがわかります。アルチュニアンはインタビューで、チェンはまるでスイスの時計のようだと言っていました。それに同意します。
正直にいうと、彼が世界選手権のショートでルッツを転倒したことに驚きました。練習では、彼を止めるものは何もないように見えました。まあ、止めるものはなく、フリーとの総合で彼は優勝しましたが。
また、今シーズンはシェイリーン・ボーンとの仕事で多くのことを学びました。見て、コレオのことなどまったく何もわかっていなかったと思いました。しかも、エテリ・ゲオルギエヴナとはすでにプログラムの振付をしていたのにもかかわらずです。これは非常に大きな経験になりました。アリョーナ・コストルナヤの最後のフリーは、私たちのコラボレーションです。私がアイディアを思いついて、曲を見つけて、ブノワ・リショーが彼の作曲家とともに特別に書いた曲を作りました。どこでもダウンロードはできません。シェイリーンが腕の振付をしました。もちろん、遠隔でですが。そこに難しさもありました。しかも、この振付師と始めて仕事をするのですから。大変です。
（費やされたエネルギーは惜しくはないですか？）
いいえ。極めて大きな経験ですから。
（「クリスタル」では、振付は年少選手だけだったのでしょうか。それとも年長選手にもアイディアを振り分けることはありましたか？）
アイディアはありました。曲を探したりも。美しい曲がみつかったら、いつでもダニール（グレイヘンガウス）やエテリ・ゲオルギエヴナに提案できました。そういった曲がいつか採用されたら素晴らしいことです。後悔なんてありません。たとえば、昨シーズンはサーシャ・トルソワとダリヤ・ウサチョワが同じような曲で同じような構成でした。なぜそうなったのかはわかりませんが、その曲はだいぶ前に私がポリーナ・ツルスカヤに提案してものでした。少なくとも、その曲からプログラムを始めるように。ポリーナは均整の取れた背の高い選手で、力強い滑りをもっていました。
とはいえ、振付は主に小さい子たちでした。アルセニー・フェドトフ、ニコライ・コレスニコフにはプログラムを1つ振付ましたし、ヴェロニカ・ジリナの振付もしました。まあ、「クリスタル」のほとんどの小さな選手にショートとフリーを振り付けていました。
（昨シーズン、多くの人がプルシェンコとトゥトベリゼを比べていました。オリンピック王者という地位は、素晴らしいコーチとなることを意味しないと言って。）
自分の仕事を生業として頭を使えば、どんな人でも素晴らしいコーチになり得ます。その人に我慢と成功があれいば。そして、背にどんな荷物を載せているかということも重要です。例えば、偉大なアレクセイ・ミーシンの指導を受けていたプルシェンコの道と、17-18歳で引退した私の道を比べることはできません。
プルシェンコには語ること、教えることがあります。すべてには時間が必要です。エフゲニーは素晴らしい選手たちを持つことになるでしょうし、いまもいます。具体的に彼の仕事についていうなら、ソフィヤ・チトワを例として挙げられます。彼女はエテリ・ゲオルギエヴナのもとで練習していて、私のときはまったくうまくいきませんでした。エフゲニー・プルシェンコのもとに移籍し、彼のもとで3回転全種類、3-3のコンビネーション、トリプルアクセルを見せました。これが、この1年の彼の仕事です。そして大会ではエフゲニーの腕が見て取れます。彼女のジャンプの入りや脚の置き方に、彼のシステム、アレクセイ・ニコラエヴィチ（ミーシン）のシステムが見て取れます。プルシェンコは素晴らしいコーチです。
（あなたの「クリスタル」への復帰も待たれていますか？）
それについては話したくありません。「はい」も「いいえ」も言いたくありまえん。時が示すでしょう。
（最近、あなたがCSKAのエレーナ・ブヤノワのところに依頼に行ったというニュースがありました。しかも2月末から3月初めに。）
そのときはアカデミーのリンクで指導をして世界選手権に向けて準備をしていました。そんなときに移籍なんて話はできるはずありません。
（昨シーズン、あなたは何かとザワつかせる人になっていましたが・・・。）
それが嫌だったのです、落ち着いて仕事をしたかったのです。
（しかし、あなたのことは誰だって言及していました。こういったことをどんな気持ちで眺めていたのでしょうか。なぜなにもコメントしなかったのですか？）
インスタグラムでの闘いは好きではありません。すべてについて冷静に対応していました。インターネットに入り込むのも稀でした。よる、なにかゲームをしたりプログラミングをしたり。それからざっと読んだりして、そういった情報を笑って受けてとめています。人は書きたいことを書くだけです。いま、実際はこうだったんだと一人ひとりに対して叫ぶ必要があるでしょうか？
しかし、SNSには別の側面もあります。10月初めにヴェロニカ・ジリナがクワドルッツを跳んでいるのをアップしました。課題があり、それを遂行したのです。6月にリンクに戻ったときは、2回転でさえ締めきれない、回りきれませんでした。隔離状況が彼女にはそんなふうに影響したのです。2回転でも背中から落ちそうになるのを見ました。4Tを戻すのには時間がかかると思いましたが、ルッツも見てみたかったのです。そして、女子では最もクリーンなクワドルッツを見ることになりました。プレローテーションも最小限です。このインスタグラムでのジャンプ・バトルには急き立てられます。自分の死ごとで人を驚かせたくなります。
（全体としてあなたは厳しいコーチですか？）
ええ、厳しいです。練習から選手を追い出したりもしますが、いまは減りました。おそらく、私の言うことを聞く選手が残ったからでしょう。
（一人で仕事をしたいとおっしゃっていましたが、トップ選手の大部分はチームでリンクに入っています。）
いつか私もそこにたどり着くかもしれません。とはいえ、今も一人で指導しているわけではありません。ユリヤ・リプニツカヤが女子の指導で大きく助けてもらっています。ずっと先のことを見通せるわけではありませんが、すぐ先の目標はあります。たとえば、ウラジーミル・リトヴィンツェフとともにオリンピックに選抜されるよう頑張らなければいけません。
（またインタビューに対応してもらえますか？）
わかりません。イエスかもしれませんし、ノーかもしれません（笑）。
（終）
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