今季引退を表明したポリーナ・ツルスカヤのロングインタビューがR-Sportに掲載されていましたので、4回に分けて紹介します。
ツルスカヤ:引退するけれど、スケートをする機会をなくすわけではない
(1)引退を決めた経緯 ← この記事
9/6発売 ファンタジー・オン・アイス2019 オフィシャルフォトブック
ポリーナ・ツルスカヤ:引退するけれど、スケートをする機会をなくすわけではない
エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ / 2019/5/31 / R-Sport
引退を決めました。6月1日に夏休みに入りますが、その直後に正式に辞めます。それだけです。おそらく、この決断までに私はかなり長い道のりを歩んだとは言っておきたいと思います。
(ちょっと待ってください。この前あなたと会ってお話したのは、あなたがエレーナ・ブヤノワのグループに移籍した直後で、1年も経っていませんが、フィギュアスケートに疲れたようにはまったく見えませんでした。)
疲れたからではありません。国家統一試験が近づいてきて、試験の準備をしなくてはならなくなっただけです。自分の前に、キャリアを続けるかどうか選ばなければならないというつもりではなかったのですが、このままにして体育大学に入ってコーチを目指して勉強するのか、あるいはフィギュアスケートとお別れして、まったく違った分野で良い教育を受けるのかを決める必要があると、はっきりと理解し始めました。そんな学業とスケートを両立させようとすることに意味はなく、通信制で勉強するのは私にとって選択肢ではありませんでした。それで、すべてを秤にかけて、やはり選択をせざるを得ないとわかったのです。
(そして、フィギュアスケート側は選ばなかったのですね。)
すべてを秤にかけたと言ったとおりです。スケートで全力で練習を続けることを、常に私の身体が許してくれるわけではありません。しかも、私たちのスポーツはいま本当に別のレベルへと上がっているところであり、すでに4回転を跳んでいる選手と戦うためには、4回転を習得する必要があります。このことについてはインタビューでもすべて話しています。もちろん、4回転ジャンプを全員が習得できるというのは事実ではありませんが、多くの選手がそうしようとすると確信しています。一方、私は自分の身体のことはあまりによくわかっていますから、おそらくもうリスクを取る価値はないと理解しています。
(そういったことをすべて自分で自分自身と話し合って決断されたのでしょうか、それともなにか参考とするような人たちがいて、その人たちの意見が最終的に決定打となったのでしょうか。)
大体は自分の独立した決断でした。ロシア選手権の後にはもう家の中では引退をほのめかし始めていましたが、両親は聞きたくもないようでした。友人たちも引退しないよう説得してくれました。
(ロシア選手権では10位以内に入れませんでした。その失敗が、引退について考えさせたと想像してしまいますが。)
そのときは、順位ではなく、滑りがうまくいかなかったことに失望しました。準備は十分できていて、準備期間も順調に経過していましたが、いろいろな理由で常に中断を余儀なくされました。この関係で、ロシア選手権がなんらかの躓きの石となったとも言いません。その後も練習を続け、コーチと来シーズンや新しいプログラムについて話もしていました。しかし、国家統一試験を早めに受けることにしたので、試験に然るべく準備をするために2週間の休暇を取る必要がありました。
(勉強に専念して、突然練習よりも面白くなったとだけはおっしゃりませんよね。)
実際、まったくそのとおりことが起こりました。毎日何時間も教科書に集中して、家庭教師の授業を受けて、テストを受けていたら、こういったことがすべて自分を捉えて引き寄せていることにすぐに気づきはじめました。練習している間は、こんなに真剣に勉強をする機会がありませんでした。練習から疲れて帰ってきたら、頭もいっぱいで、できるだけ長く休みリラックスしたいのです。この意味では、母も私を教科書から遠ざけようとすることがありました。勉強を取り返そうとする熱意を本当に怖がっているようでした。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿