2013/12/16付の、ロシア選手権前の男子オリンピック代表に関する論評記事です。このあと、代表争いで大きな議論になっていくところですね。
ロシアの男子シングルについての記事が掲載されていたので、抄訳してみました。
このオリンピック、ロシアの男子シングル枠は1つ。この記者は結構辛辣で、このような捉え方がコンセンサスを得ているとは思えませんが、各種報道を見ているとありえないシナリオでもなさそうです。
でも、昨日ロシア選手の成績を観ていたら、ヴォロノフが安定して良いんですよね。SBもコフトゥンより上ですし、国際大会ではNHK杯が唯一うまく行かなかっただけであとは全て240点代。プルシェンコvsコフトゥンといった見方が強いですけど、ヴォロノフもメンショフさんもガチンスキーも調子を上げています。
ロシア選手権はもうすぐです。
* * *
キリル・リョーフキン
残念ながら、2013年世界選手権でのマクシム・コフトゥンの失敗により、ソチ・オリンピックの男子シングルでのロシアの枠は1つしかない。オリンピックで4大会連続金メダルを獲得した国としては、もちろん失敗である。男子シングルの危機は明らかだ。誰がホームでのオリンピックにロシアの名誉を守るために出向くのか、問題になるものだろうか。エヴゲニー・プルシェンコはオリンピックチャンピオンで、3回のオリンピックで表彰台に上っており、まだスポーツのキャリアを終えていない。相次ぐ怪我にもかかわらず、2013年11月にリガで行われた国際大会で優勝している。彼1人に数百万人のファンの期待がかかっている。
しかし、全員がそう考えているわけではない。エレナ・ブヤノワ率いるCSKA(モスクワ)コーチ陣とロシア代表チームのコーチ兼アドバイザーのタチヤナ・タラソワは、教え子であるマクシム・コフトゥンが今年3月の失敗に終わった世界選手権と比べてすでに大きく前進しており、今やロシア代表の1枠を賭けてエヴゲニー・プルシェンコを競い合えると確信している。
そこには一定の証拠もある。このシーズン、コフトゥンは2つのグランプリ・シリーズの大会で表彰台に上り、世界選手権の次に意義があるこの権威あるシリーズのファイナルに、ロシア男子シングルとしては8年ぶりに出場した。ただ、日本でのグランプリ・ファイナルで、出場した最強の6選手の中でマクシムは5位に終わった。フリー・プログラムでコフトゥンは3回の4回転ジャンプを予定していた(グランプリ・ファイナルでは2つしか跳ばなかったが、これではより高名なライバルたちと戦うのには十分でなかったのは明らかだ)。
もちろん、言うまでもなく、この18歳のスケーターには、31歳のオリンピック・チャンピオンに対して疑うべくもなく勝っていることろはある。若さだ。マクシムにとってリスクを取ることは危険ではない。彼がうまく行かず、ソチ・オリンピックでメダルが取れなかったとしても、誰も彼のことを責めないだろう。オリンピックの8ヶ月前にやっと成人に達し、国のシニア代表として出場するのがたった2シーズン目の青年に、4年間で最重要の大会でメダルを要求するのは難しいことは誰が議論するだろうか?エヴゲニー・プルシェンコについていうと、彼にとっては2位でさえも、彼のファンが慣れ親しんだ結果とは決して言えない。もしエヴゲニーがソチに出場するのであれば、目標は2回めのオリンピック・チャンピオンになることだけだ。
若いマクシム・コフトゥンに共感を寄せているのはコーチ陣だけではなく、ソチ・オリンピックのロシア代表チーム構成に影響力を持つ人物もいる。同時に、エヴゲニー・プルシェンコが不可能なことも可能であるとまた証明し、新たに(何度目だ?)競技スポーツに勝利者として戻ってきたこと。これらのことを考慮すると、エヴゲニー・プルシェンコとアレクセイ・ヤグディンのライバル時代の激情的な緊迫感に相当するような、オリンピックへのたった1枚の切符を賭けた独特で激しい闘いが待っていると考えられた。しかしそうではない。激しい闘いはありえない。
「私も、おそらくどの専門家もだと思うが、エヴゲニー・プルシェンコがロシア選手権で優勝して、欧州選手権でロシア男子シングルで最高位を取ることに疑いをもっておらず、ジェーニャがオリンピック代表に選ばれるかどうかという問題は立っていない」とオレグ・ニーロフ・サンクトペテルブルク・フィギュアスケート連盟会長は言う。「問題は別のところにある。冬季オリンピックの競技に初めて国別対抗戦が入った。そして、まさにこの第5の競技の勝負からソチでのフィギュアスケート大会が始まる。もし世界選手権でコフトゥンが失敗せず、代表チームに男子シングルが2人いれば、例えば、エヴゲニーが国別でショートに出場してその後休み、それからシングルに出るといったことが考えられた。1週間半でプログラムを4つ、同じように最高レベルで滑るのは、どんなスケーターにとってもとてもつらいものがある。エヴゲニーにはできるのか?みんな「そうだ!」と答えてくれることを期待しているだろう。しかし、国別での勝利のためには、チームの1人1人が100%を出しきらないと行けないのに、プルシェンコを支えてくれる人はいない。チームには男子シングルは1人だけだ。しかし、ホームのオリンピックで、男子シングルで誰もロシアの旗を守るために出場しないというのは恥であり、ロシアのスポーツではありえないことだ。そのような状況は許せない」
このオレグ・アナトリエヴィチ(ニーロフ)に付け加えると、現在ISUのルールについてスポーツ界では様々な検討がなされているという。(もし出場スケーターが病気ないし他の客観的な原因により出場できない場合は)競技の抽選までに出場スケーターを補欠に変えることができるというルールだ。このルールは、アメリカがすでに2006年のオリンピックで使っている。女子シングルの第一代表として5回の世界チャンピオンであるミシェル・クワンの名前が挙げられていた。彼女はオリンピック開会式にもアメリカ代表の一員として参加したが、開会式の2日後に、ミシェル・クワンは病気になり、補欠第一位であったエミリー・ヒューズに変えられた。
男子シングルの抽選は国別対抗戦の後に行われることから、ソチ・オリンピックでは一定の状況下でエヴゲニー・プルシェンコもマクシム・コフトゥンも出場できることになる。
しかし、エヴゲニーとは違い、若いマクシムはまだ補欠としてさえもソチに派遣される権利を証明しなくてはいけない。1年前のロシア選手権で、彼は5位しか取れなかった。
ロシアの男子シングルについての記事が掲載されていたので、抄訳してみました。
このオリンピック、ロシアの男子シングル枠は1つ。この記者は結構辛辣で、このような捉え方がコンセンサスを得ているとは思えませんが、各種報道を見ているとありえないシナリオでもなさそうです。
でも、昨日ロシア選手の成績を観ていたら、ヴォロノフが安定して良いんですよね。SBもコフトゥンより上ですし、国際大会ではNHK杯が唯一うまく行かなかっただけであとは全て240点代。プルシェンコvsコフトゥンといった見方が強いですけど、ヴォロノフもメンショフさんもガチンスキーも調子を上げています。
ロシア選手権はもうすぐです。
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プルシェンコかコフトゥンか
http://fsnews.ru/index-m-single-id-2133.html(リンク切れ)キリル・リョーフキン
残念ながら、2013年世界選手権でのマクシム・コフトゥンの失敗により、ソチ・オリンピックの男子シングルでのロシアの枠は1つしかない。オリンピックで4大会連続金メダルを獲得した国としては、もちろん失敗である。男子シングルの危機は明らかだ。誰がホームでのオリンピックにロシアの名誉を守るために出向くのか、問題になるものだろうか。エヴゲニー・プルシェンコはオリンピックチャンピオンで、3回のオリンピックで表彰台に上っており、まだスポーツのキャリアを終えていない。相次ぐ怪我にもかかわらず、2013年11月にリガで行われた国際大会で優勝している。彼1人に数百万人のファンの期待がかかっている。
しかし、全員がそう考えているわけではない。エレナ・ブヤノワ率いるCSKA(モスクワ)コーチ陣とロシア代表チームのコーチ兼アドバイザーのタチヤナ・タラソワは、教え子であるマクシム・コフトゥンが今年3月の失敗に終わった世界選手権と比べてすでに大きく前進しており、今やロシア代表の1枠を賭けてエヴゲニー・プルシェンコを競い合えると確信している。
そこには一定の証拠もある。このシーズン、コフトゥンは2つのグランプリ・シリーズの大会で表彰台に上り、世界選手権の次に意義があるこの権威あるシリーズのファイナルに、ロシア男子シングルとしては8年ぶりに出場した。ただ、日本でのグランプリ・ファイナルで、出場した最強の6選手の中でマクシムは5位に終わった。フリー・プログラムでコフトゥンは3回の4回転ジャンプを予定していた(グランプリ・ファイナルでは2つしか跳ばなかったが、これではより高名なライバルたちと戦うのには十分でなかったのは明らかだ)。
もちろん、言うまでもなく、この18歳のスケーターには、31歳のオリンピック・チャンピオンに対して疑うべくもなく勝っていることろはある。若さだ。マクシムにとってリスクを取ることは危険ではない。彼がうまく行かず、ソチ・オリンピックでメダルが取れなかったとしても、誰も彼のことを責めないだろう。オリンピックの8ヶ月前にやっと成人に達し、国のシニア代表として出場するのがたった2シーズン目の青年に、4年間で最重要の大会でメダルを要求するのは難しいことは誰が議論するだろうか?エヴゲニー・プルシェンコについていうと、彼にとっては2位でさえも、彼のファンが慣れ親しんだ結果とは決して言えない。もしエヴゲニーがソチに出場するのであれば、目標は2回めのオリンピック・チャンピオンになることだけだ。
若いマクシム・コフトゥンに共感を寄せているのはコーチ陣だけではなく、ソチ・オリンピックのロシア代表チーム構成に影響力を持つ人物もいる。同時に、エヴゲニー・プルシェンコが不可能なことも可能であるとまた証明し、新たに(何度目だ?)競技スポーツに勝利者として戻ってきたこと。これらのことを考慮すると、エヴゲニー・プルシェンコとアレクセイ・ヤグディンのライバル時代の激情的な緊迫感に相当するような、オリンピックへのたった1枚の切符を賭けた独特で激しい闘いが待っていると考えられた。しかしそうではない。激しい闘いはありえない。
「私も、おそらくどの専門家もだと思うが、エヴゲニー・プルシェンコがロシア選手権で優勝して、欧州選手権でロシア男子シングルで最高位を取ることに疑いをもっておらず、ジェーニャがオリンピック代表に選ばれるかどうかという問題は立っていない」とオレグ・ニーロフ・サンクトペテルブルク・フィギュアスケート連盟会長は言う。「問題は別のところにある。冬季オリンピックの競技に初めて国別対抗戦が入った。そして、まさにこの第5の競技の勝負からソチでのフィギュアスケート大会が始まる。もし世界選手権でコフトゥンが失敗せず、代表チームに男子シングルが2人いれば、例えば、エヴゲニーが国別でショートに出場してその後休み、それからシングルに出るといったことが考えられた。1週間半でプログラムを4つ、同じように最高レベルで滑るのは、どんなスケーターにとってもとてもつらいものがある。エヴゲニーにはできるのか?みんな「そうだ!」と答えてくれることを期待しているだろう。しかし、国別での勝利のためには、チームの1人1人が100%を出しきらないと行けないのに、プルシェンコを支えてくれる人はいない。チームには男子シングルは1人だけだ。しかし、ホームのオリンピックで、男子シングルで誰もロシアの旗を守るために出場しないというのは恥であり、ロシアのスポーツではありえないことだ。そのような状況は許せない」
このオレグ・アナトリエヴィチ(ニーロフ)に付け加えると、現在ISUのルールについてスポーツ界では様々な検討がなされているという。(もし出場スケーターが病気ないし他の客観的な原因により出場できない場合は)競技の抽選までに出場スケーターを補欠に変えることができるというルールだ。このルールは、アメリカがすでに2006年のオリンピックで使っている。女子シングルの第一代表として5回の世界チャンピオンであるミシェル・クワンの名前が挙げられていた。彼女はオリンピック開会式にもアメリカ代表の一員として参加したが、開会式の2日後に、ミシェル・クワンは病気になり、補欠第一位であったエミリー・ヒューズに変えられた。
男子シングルの抽選は国別対抗戦の後に行われることから、ソチ・オリンピックでは一定の状況下でエヴゲニー・プルシェンコもマクシム・コフトゥンも出場できることになる。
しかし、エヴゲニーとは違い、若いマクシムはまだ補欠としてさえもソチに派遣される権利を証明しなくてはいけない。1年前のロシア選手権で、彼は5位しか取れなかった。
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