アルチュニアン・コーチのロングインタがR-Sportに掲載されていましたので、何回かにわけて紹介します。※ちょっと多忙のため続きは遅れるかもしれませんがご了承ください。
(1)ミハル・ブレジナ ← この記事
(2)ミハイル・コリャダ
(3)ネイサン・チェン
(4)女子シングル
(5)外国人選手の受け入れ
(1)ミハル・ブレジナ ← この記事
(2)ミハイル・コリャダ
(3)ネイサン・チェン
(4)女子シングル
(5)外国人選手の受け入れ
アルチュニアン:ロシアの男子シングルはプレッシャーがかけられていて、そのためにいつも「荒れて」いる
エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ / R-Sport / 2018/11/9
コーチと犬
(GPSフィンランド大会でのブレジナの好成績に)信じてくれないかもしれませんが、子供のように喜びました。まず、ミハル(ブレジナ)とはもう2年仕事していて、それはちょうどスケーターが正しい練習を覚えて結果を見せるようになるのに必要な期間だからです。私自身もこのことを理解したのはそんなに昔のことではなかったので、今は新しい契約を結ぶときは最初から2年契約にしています。もしそういった契約を結ぶ用意ができてない場合は、チームには採りません。意味がわからないですから。もっと短い期間で選手の練習に対する態度を完全に変えることは、きちんと遂行できない課題です。このことは、実際に何度も納得しています。というのも、問題は、スケーターに教えられる技術的な習慣や動作にあるわけではないからです。大多数のフィギュアスケーターは、すべきように練習をしていないことにあります。
(そのフレーズの解説をお願いしたいです。)
喜んで。結果というものは何よりもまず技術です。結果は多数の細かなことにかかっています:どのようにウォームアップをするのか、どのような練習をどうやってするのか。普通、スケーターは練習に来て、何かやってみて、時にはとても善良かつ積極的にやることもありますが、なぜ自分に進歩がないのかについてあまり考え込まないのです。毎日同じ練習を続けていて、そのことがまったく何も変えることはないということを理解していません。それで、フィギュアスケーターの意識を変えなければならないのです。聞くこと、自分が正しいと考えていることではなく言われたことをすることを教えるのです。
(ブレジナがあなたのところに来たのは、大人となって、できあがってからのことですから、プロセスはおそらく難しかったのでしょう。)
プロセスはいつでも難しいです。自分の歩んできた道の上で多くの指導者にあってきた大人のスケーターがチームに入ると、そのスケーターとの仕事はあまり成功しないことになります。そのスケーターは、新しいコーチのことを、かつての指導者とまったく同じように見るからです。つまり、自分の頭の中に長い間かけて蓄積した、一定の不信と一定のモデルをもって。こういった土壌の上で、まだ研磨をしているうちに衝突が起こることもあります。というのも、スケーターが自分で想像しているようなコーチではないことを、スケーター自身が理解する必要があるからです。さらに、スケーターはコーチを明らかに信用していません。これだけで、練習に大きな問題を作り出すのです。このことは普通の人生と同じです。もし犬に噛まれたら、他の犬すべても悪どくて噛む犬だと思うでしょう。しかし、そうではないでしょう?
(あなたとブレジナとの関係が変わった瞬間はどんなものだったのでしょうか。)
何か具体的なことがあったとは言えません。再建のプロセスにはただ長い時間がかかったというだけです。でも、ミハルとは他の選手ほど難しくはありませんでした。というのは、彼はヨーロッパのフィギュアスケート・スクール出身だからです。全力で格闘しても、まったく結果をもたらさないフィギュアスケーターも少なくありません。
(それでも、あなたは格闘し続けているのですか?)
そのプロセス自体が好きだからです。人を穴から引き上げることは、仕事に問題がなくするっと進むときよりもはるかに多くの満足感が得られます。
(つまり、あなたはある意味でクライシス・マネージャーだということですね。)
ええ、そうも言えますね。才能あるスケーターだけでなく、かなり大きく成長し、そしてあたかも抹消されたようなスケーターを、人生に戻すことをしなければならない部分もあります。ちょうど、ジョン・ニックスから私のところに来て、誰も期待してなかったにもかかわらずワールド銀メダリストとなったアシュリー・ワグナーのように。グレイシー・ゴールドにみなさん賭けてましたから。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿