RT(Russia Today)が、アレクサンドル・サマリンのインタビューを掲載していますので、2回に分けて紹介します。今回は後編からさきに掲載します。
※追記(2020/3/15):前編を掲載しました。
(前)ユーロでの失敗
(後)羽生と新プロ ← この記事
3/16発売 フィギュア・スケーターズ19 FIGURE SKATERS Vol.19
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『一体何をしてしまったのか?』と思いながらリンクサイドに戻った:サマリンがユーロの失敗、ソコロフスカヤ・コーチとの関係、そして羽生のアクセルについて語る
RT / エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ / 2020/3/11
(続き)
(羽生結弦は今シーズン、いきなり昔のプログラムに戻しました。それぞれすでに2シーズン演技していたものです。どうして彼はそうしたのでしょうか、わりかりますか?)
おそらく、彼にとってはそのほうがやりやすかったのでしょう。プログラムは滑り込まれていて、練習をやり込んだつなぎで構成されています。しかし私自身は、すでにかつてできてしまったものに戻る意味を見ていません。フィギュアスケーターは常に成長していって、何か新しいことをしなければなりません。まったく同じプログラムを3シーズンも見せても、強い印象を呼び起こすものではなく、クレイジーな効果を起こすものでもないと思います。ですので、観客席の反応も、あって然るべきものとはもうならないでしょう。とはいえ、私にももっと長い期間残しておきたかったプログラムはあります。
(例えば?)
「ショーマン」を挙げたいです。しかし、このプログラムを昔のものと同じように戻すのは、一歩後退を意味します。
(羽生については違った展開もありますから。彼にとってもう頭を離れないものとなった、クワドアクセルを世界で初めて跳ぶという考えを実現するために、自分にとって最大限にやりやすい状況に戻そうとしているのかもしれません。)
クワドアクセルは、もちろんシンボリックなエレメントですが、羽生が跳べるかどうか?もしできるなら、凄くクールなことです。ただ、クワドアクセルに成功したとしても、一度限りの成功になってしまうんじゃないかとも思います。何があっても跳ぼうとするのには単純に意味がありません。いまのルールは、極度な難度ではなく、クリーンなスケーティングを奨励していますから。
(あなたにとってはがっかりすることでしょうか?)
それは私が判断することではありません。もちろん、無駄に練習しているという感覚がないように、クワドジャンプの価値がもう少しあってもいいとは思います。一方で、プログラムに5つのクワドを入れても、「走って跳ぶ」だけという形では、これも正しくありません。
(シーズン最後の大会前にフリーの曲を変える必要があったのでしょうか?)
ニコライ・モロゾフが振りつけたApasheのGood Newsはとても気に入っていました。素晴らしいのですが、そのプログラムを滑れば滑るほど、自分にはこの音楽に対処できていないとますます強くわかってきました。それで、タリンでの大会では、自分にとってよりわかりやすいKeeping me Aliveを選ぶことにしたのです。ただ、大会前にエレメンツの配置と振付を変える時間がなかったので、ちょうどいまそれに取り組んでいます。また、ショートの音楽とアイディアを積極的に探しています。5月に短い休暇をとって、その後は夏合宿で練習を続けます。
(あなたにとってうまくいかなかったこのシーズンのポジティブな面を思い出していただけるとしたら、どんなものでしょうか。)
そういったことはありましたし、1つだけではありません。練習のやり方が変わりましたし、以前できなかったことを習得しました。大切なのは、ユーロで起こってしまった失敗が、チーム全体をより強く結びつけてくれて、私とコーチに正しいエネルギーをたくさん充電してくれました。この気運が、1シーズンだけでなく足りてくれることを願っています。
(いまあなたはCSKAで一人で練習していらっしゃいますね。コーチは3月第1週はエストニアのジュニアワールドにいらっしゃいますから。ソコロフスカヤ・コーチなしで大会に出なくてはいけないことはありましたか?)
いいえ、一度も。練習の方が難しいです。自分の背中を押してくれて、大きな声を掛けてくれて、練習プロセスにすぐに入り込むのを助けてくれる人がとても必要なこともときどきあります。大会では、コーチなしで自分がどう感じるかはまったくわかりません。私はもう十分大人ですから、助言がなくても何をどうすべきかはわかりますが、一方で、リンクサイドに自分の味方がいるというのはいつだって落ち着かせてくれます。
(コーチのために何をする準備ができていますか?)
すべてです。
(終わり)
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