ちょっと前になりますが、9/22付のRTにプルシェンコのインタビューが掲載されていたので前後編前中後編で紹介します。前編は新しいリンクや、トルソワの育成についてです。
「子供を侮辱するのは絶対に許さない」下品な言葉のタブー、ミーシンのトレーニング機器、トルソワのジャンプとメドヴェデワの将来についてプルシェンコが語る
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「子供を侮辱するのは絶対に許さない」下品な言葉のタブー、ミーシンのトレーニング機器、トルソワのジャンプとメドヴェデワの将来についてプルシェンコが語る
https://russian.rt.com/sport/article/783731-plyuschenko-mishin-medvedeva
エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ / RT / 2020/9/22
(3年前、コーチ業についてインタビューをした際、「プルシェンコ・エンジェルズ」はあなたにとってマネージャー業の延長のものあるとおっしゃっていました。そして、フェンス横に立つことは意図していないとも。どの時点で計画が変わったのでしょうか。)
初めのうちは、私もパートナーも競技上の課題についてはまったく考えていませんでした。考えていたのは、ただ初歩の指導スクールを開くことだけでした。
(つまり、単に商業上の理由だけだったと。)
いいえ。事業を組織する際は、利益だとか損失だとか、そういうことが最初に考慮されるものです。私たちは何もしませんでした。交渉の場にも付かなかったくらいです。パートナーにはリンクがあって、私には体力と意欲があったというだけです。うちで滑りたいという人たちが予想外に多くなりましたが、私の人生はその時点では何年も先まで予定が埋まっていました。自分自身のショーや、日本とヨーロッパでの出演契約で。そして、トップレベルの選手を指導するのはただ単純にできないとよくわかっていました。
ですので、私のところに選手が来はじめた頃は、正直に選手たちには言っていました。「あなたに指導をするコーチ陣はいます。私はできる限りでそのプロセスを管理します」と。多くの選手はそれで満足でした。3年が経ち、私はこの経緯にもっと深く入り込むようになりました。
(そして、まず最初に、完全な大きさの自身のリンクを建てることにしたと。)
リンク2つです。いま、完成を目前にしてます。建設は自前の投資で行っています。妻と私はこれ以上パートナーを集めないことにして自分たちで建てることにしましたが、モスクワの支援を得ています。土地の貸し出しを受けるためですが、特にセルゲイ・セミョーノヴィチ・ソビャーニン・モスクワ市長とモスクワ州にはお世話になっています。とても助かりました。
(簡易型建造物内のリンクですか?)
モスクワの南西部に建設中のものは、5,000㎡のかなり大きなセンターで、常設の建造物です。そこは最新機器を置いたフィットネスセンターや、コレオスタジオ、基礎トレーニング用スタジオ、医療センターも備え、つまり高レベルの選手育成に求められるすべてがあります。
多くの子供たちはすでに学校が決まっていて、多くの家庭がここでマンションを購入したか、あるいは借りていますので、まさにこの地区に建設を最初から予定していました。モスクワ州には、より「家庭的な」コンパクトなリンクが建てられる予定ですが、私と家族が住んでいる家や地区の近くで、規格に合ったリンクです。実際のところ、リンクを借りることにものすごく悩んでいました。
(高すぎるからですか?)
第1はそれです。第2に、いつも貸す側に依存してしましまいます。しかも、通う子供たちはとても多く、スクールは常に成長していますので、自前のものを建てることを決断しました。そして、私がコーチ業に本格的に取り組むようになってからもう1年になりました。それまでなかった自分自身のグループが出来て、毎日朝から晩までリンクで過ごしています。
(楽しいですか?)
とても難しい仕事ですが、気に入っています。コーチ陣にはとても恵まれています。基礎トレーニングについては、ロックンロールの世界王者に何度もなっているエレム・ガザジャンという素晴らしい専門家が担当しています。アレクサンドル・ヴォルコフは2つのグループを率いていて、コーチ陣にはジーマ・ミハイロフとセルゲイ・アレクセエフが見事に溶け込んでいます。セリョージャ・ロザノフは最近加わりましたが、彼は技術面で最高の専門家の一人だと思っていますし、それに素晴らしい振付師でもあることがわかりました。サーシャ・トルソワの両プログラムの振付をして、いまアリョーナ・コストルナヤの片方のプログラムの振付をしたところです。レーナ・イリイヌィフは、この2人の選手が来る際に、私が誘いました。私たちにとっては、この2人の指導のために、まさに女性の愛すダンサーが必要であると判断しました。レーナはエッジコントロールが素晴らしく、コレオも素晴らしく感じ取ってくれますし、理解してくれます。
(言い換えれば、あなたは誰よりも若い専門家たちに賭けているということですね。)
若い専門家は、何よりもまずエネルギーがあります。1日8時間、全力で氷上で仕事をするのは体力的に大変で、大人のコーチ全員ができることではありません。
(失礼して遮らせていただきますが、いまエッジコントロールが素晴らしい専門家についてお話いただきましたが、サーシャ・トルソワは、スケーティングのためだけにほぼ毎日モスクワを横断してバラシハのデニス・サモヒンとその妻のところに通っていると聞いたことがあります。)
そのとおりです。サーシャは私たちのスクールで毎日5時間練習しています。氷上練習、基礎トレ、専門トレ、ボリショイ劇場コレオグラファーによるバーとフロアのレッスンがあり、つまり彼女は毎日7-8時間「爆撃」しています。彼女がスケーティングについてさらに練習が必要だと考え、しかも以前指導を受けたことがある人ならなおさら、それを邪魔をすることはありません。ただ一つだけお願いしています。ジャンプだけはやめてください、技術は変えないでくださいと。スピン、スケーティング、コレオなら良いですが。
(トルソワのジャンプ技術は最適だとお考えなのでしょうか、それとも単に何か変えてすべてがこぼれ落ちるのを恐れてでしょうか。)
いくつかのジャンプについて、すでに部分的にサーシャの技術を変えました。トルソワの回転に入る速度を測ったところ、目に見えて早くなりました。以前は、あたかもポーズを入れてからジャンプが行われていました。あっ、とオープン・ポジションがあり、その後になってやっと回転に入ります。小さくコンパクトな女の子であれば、それが機能します。身体が変わっていくにつれて、すべての変数も別のものになっていきます。ジャンプを維持するのは可能ですが、それは回転に入る初速の加速を通じてのみです。
(似たようなことを、1年前にあなたの元コーチであるアレクセイ・ミーシンから伺いました。)
まさに、自分スクール用に購入したミーシンのトレーニング機器からスタートしています。今年はそれでたくさん練習しました。回転や負荷をかけたりゴムを使ったトレーニングをして、キスロヴォツクでの夏合宿はとても素晴らしいものとなり、結果を出しています。スケーティングについては、トルソワはもっと多く練習する必要があると本当に理解しています。さらに、サーシャには練習を強制する必要はありません。彼女を止めることもあります。
(続く)
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