2020/9/2に引退を表明したダリヤ・パネンコワのインタビューがSport Expressに掲載されていましたので、前中後編で紹介します。前編は、引退に至る経緯と体重管理についてです。
「エテリのジョークは面白いが、彼女の冷やかしに腹だたしくなることもあった」-ダリヤ・パネンコワが語る
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「エテリのジョークは面白いが、彼女の冷やかしに腹だたしくなることもあった」-ダリヤ・パネンコワが語る
ドミトリー・クズネツォフ / Sport Express / 2020/10/2
ダリヤ・パネンコワ
2002/12/8 モスクワ生まれ
ロシアの女子シングル選手、キャリアは主に「クリスタル」
JGPF出場(2017)、ロシアカップ・ファイナル表彰台(2018)
2020/9/2に引退を表明したが、最後の高い出場はかなり早く、2018/12。
精神的に楽になった。フィギュアスケートは、人付き合いも圧迫していた
(ダリヤ、あなたのことはここ1年半、まったく話が聞こえていきませんでした。練習はしていて、キャリアは継続されたかったのでしょうか。)
選手として最後に演技したのは、2018年12月のロシア選手権のフリーです。その後は大会には出ていませんし、練習もしていませんでした。まあ、滑って、技術を少し思い出したりすることはありましたが、大会に向けて準備をするといったことはありませんでした。サランスクでの演技(ロシア選手権)をした後、コーチたちはみな、すべてわかった、私のことは触らないでおこうと言っていました。私が精神的にも身体的にも疲れていたことを見て取ってくれたのです。そのシーズンは、練習から家に帰ると、「ああ、いつになったら縁が切れるんだろう?」と大声で泣いて思っていました。限界でした。
それで、ロシア選手権から帰ってきて、私のコーチに何も連絡をせず、コーチたちも私に連絡をしてきませんでした。そして、5月にはもうアンナ・ウラジーミロヴナ・ツァリョーワ・コーチのところに行って、花束を贈りました。それまでに脚を二箇所骨折して、それでこれ以上続けることはできないとわかりました。家でダブルアクセルを跳んで、こうなってしまって。
(引退後は楽になりましたか?)
精神的にはかなり。身体的には練習でまったく同じように疲れます。ただ、いまは私が指導をしていますが。でも、解放感を確実に感じています。キャリア末期は、誰とも話したくないとただ思っていました。コーチは自分の仕事をして、怒鳴ったり強制したりすることもあるとわかっていますが。けれど、いまは全面的に楽になりました。会話でも、することを決めるときも。したいと思ったら、絵を描くこともできるし、何でも好きなことができます。フィギュアスケートは、人付き合いさえも圧迫していました。
(それは、ロシアの専門家、特にエテリ・トゥトベリゼに特徴的な厳格な指導スタイルのせいでしょうか?それともこれはステレオタイプでしょうか。)
そういうスタイルが全員に特徴的なわけではない、と言えます。半々で、エテリ・ゲオルギエヴナ(トゥトベリゼ)もそうで、彼女も人と話す時は落ち着いて話しています。それに、彼女は賢明なコーチです。ただ、私が疲れで燃え尽きてしまったのです。怪我が、すべてが襲いかかってきて…。それに太ってしまって、体重の問題も大きかったです。練習から帰ると、冷蔵庫が開いて…(笑)。母も私のことをとても厳格に管理していました。毎日体重計に乗らされて、100g増えていると怒られました。毎日、茹でた鶏肉を食べていて、パスタや甘いものは禁止でした。チョコレートを見たら、ランニングマシンで1時間走りなさいとか、ビニールで包まれているものは心臓に負担がかかる!とか。結局、正しくなかったのだと思います。
(いまは自分に許しているのでしょうか。)
ええ、でも正しい食事をするように心がけています。引退した直後に5kg太ったのです。食べ過ぎでした。それでいまは食事に気を遣っています。とはいえ、体重を抑えることを求められているわけではなく、良いスタイルを維持したいだけです。ピザ屋に行くこともあります。
(フィギュアスケート界の食事についてはかなり議論されていますし、どやって体重を維持するのかについてはいろいろな伝説がありますが、あなたはどうでしたか?体重のテーマは、おそらくコーチとの会話によく出てきていたのではないでしょうか。)
エテリ・ゲオルギエヴナの下で体重を維持するのはとても単純です。痩せなさいと言われたら、痩せるだけです。1kg痩せなさいと言われたら、痩せなければなりません。方法は何でも良いのです。
(期限は?1時間で痩せうわけにはいかないでしょう。)
彼女は、「明日には1kg痩せてきなさい」とはいいません。ただ、体重の問題があって、これだけ余分だから痩せなさいと。更衣室に体重計があって、毎日体重測定がありました。マイナス100g、200gだと彼女が見て取ったら、それは自分に対してすべきことをしたということです。彼女は1日で1kg減ることに対してもあまり肯定的ではありません。身体にとってあまりよくないことだと理解していました。
(とはいえ、フィギュアスケートに真剣に取り組むなら、犠牲にする必要があるのでしょうか。食事制限は当然として。)
全員ではありません。代謝が良い選手もいます。私のところでいま女の子が練習していますが、彼女には「チョコレートを食べたくなったら食べなさい。ただ、ちょっとだけにしてください。無理に食べないでいる必要はありません、それはひどくなるだけですから」と言っています。特にティーンの頃は、身体を制限する必要はありません。自分の経験で学びました。
(続く)
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