2020/9/2に引退を表明したダリヤ・パネンコワのインタビューがSport Expressに掲載されていましたので、前中後編で紹介します。今回の中編は、クリスタルでの練習やコーチ業、ザギトワとメドヴェデワの関係についてです。
「エテリのジョークは面白いが、彼女の冷やかしに腹だたしくなることもあった」-ダリヤ・パネンコワが語る
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「エテリのジョークは面白いが、彼女の冷やかしに腹だたしくなることもあった」-ダリヤ・パネンコワが語る
ドミトリー・クズネツォフ / Sport Express / 2020/10/2
(続き)
アリーナとジェーニャは、普通にやりとりしていた
(エヴゲニヤ・メドヴェデワの(エテリへの)回帰はどう思われますか?)
とても驚きました。それがどこに向かうのかはわかりませんが、良い決断だと思います。
(あなたはアリーナ・ザギトワとジェーニャ(メドヴェデワ)と一緒に練習されていました。彼女たちに衝突はあったのか、教えていただけますか?いまや、「サンボ70」の旗を掲げることでさえ、誰がそれをすべきなのか説明しなければいけない状況になっています。)
やりとりという面では、彼女たちはすべて問題なく話したりしていました。ただ、リンクに入ると、お互いに競い合い、エレメンツをより良くやろうと頑張っていました。普通のことですが。二人の関係が悪かったと思うことはありませんでした。
(ただ、突然そういった空気になったら、リンクの中で二人がどうやって一緒にいられるのか、怖くなります。もちろん、アリーナが練習しているのならばですが。)
知っている限りでは、アリーナは練習しています。撮影と授業の間に時間がある時は。
(ダニール・グレイヘンガウスは、オリンピック・シーズンよりも少ないと言っています。)
その頃、彼女は週に6日、毎日5-6時間練習がありました。もしかすると、朝の氷上練習には通っていて、その後は急ぎ足で去っているのかもしれません。ありえます。
(いまはコーチをされていますね。お好きですか?)
ええ、クリスタルの隣の、オストロヴィチャノワ通りのリンクで指導しています。本当に楽しいです。お母様方の多くは、私がエテリ・ゲオルギエヴナ(トゥトベリゼ)に似ているところがある、外見でもそうだとおっしゃっています。才能が彼女から受け継がれているのかもしれません(笑)。完璧主義なところもあって、脚は伸び切っていないといけないとか、演技のときには視線の一つ一つが重要だとか。ジャンプだけがすべてを決めるわけではないんです!振付も重要です。脚は曲がっていてはいけないとか、エテリ・ゲオルギエヴナ(トゥトベリゼ)も言っていましたが、着氷姿勢は3秒保持出来なければならないとか。ですので、全選手に着氷姿勢は指示していて、いい感じになっています。
(コーチ業のキャリアをお考えになっているのでしょうか。つまり、トップスクールのコーチを目指しているとか。)
名コーチになりたいというのは、子供の頃からの夢です。正直にいうと、選手のみんながいっているようなオリンピックのメダルは必要ありませんでした。「オリンピック・チャンピオンになりたい」というようなことは。私は観客がたくさんいるアリーナで演技をしたいとは思っていましたが、それで十分でした。氷上にいて、プログラムを振り付けて…というのはとても素晴らしい感覚なんです!
(隔離状況はどのように耐えていたのでしょうか。)
女子選手の郊外の別宅で基礎トレーニングをしたとか、そういうことはありました。その結果は氷上練習にも出ています。最近は氷上でビデオレッスンもしました。できるやり方を探します。大切なのは、気に入ってもらえるかです。それにいまは、ご両親の多くが、こういったことがお金稼ぎに変わっていると文句を言って、コーチがお金を稼げないという状況があります。十分にお金は稼ぎたいとは思っていますが、チャンピオンを育てられるかどうかは、運命の積み重ね次第です。
メドヴェデワとザギトワは腹を立てているが、自分の中で
現役のときは、最後のシーズンの前までは練習がすごく好きでした。けれど、2018年は…。強くなければならないと感じてはいたのですが、私の中で弱い人格が壊れていました。すべてが崩壊するような感覚が。
(そういったことは選手の多くにあることかと思われますか?他の選手たちも、つねにプレッシャーに晒されています。あのクリスタルでは、いまもチーム内で最強の競争が行われています。)
選手はそれぞれ違った反応です。コーチが怒鳴ると、私はひどく傷つきました。それ以前に傷つきやすい性格で、競技においては私の最大のマイナス点でした。エテリ・ゲオルギエヴナ(トゥトベリゼ)はジョークがうまくて、面白いです。でも、どんなだったか想像できますか?彼女のジョークも私には腹立たしかったのです。いまは成長したので、彼女が同じようにジョークを言っても笑えるでしょう。あの頃はまだ小さくて、母にもそれで文句を言っていたくらいです。
(しかし、彼女はメドヴェデワやザギトワにも同じようにジョークを言っているのでは。)
彼女たちとは性格が違います。彼女たちも腹を立てているでしょうが、自分の心の奥でです。そして悪意はすべてリンクでぶちまけられていました。私は反対でした。母に「リンクに行くのが怖い」と言っていました。そして、コーチが私のことを見て傷つけてこないよう、フェンス近くを滑っていました。グループの選手はみんな細くて、平べったくて…私だけが早く成長した女子でした。何も見えないよう、全身を隠していました。辛口のジョークで耐えられず泣き出したこともありました。ダニール・グレイヘンガウスが慰めもしてくれました。エテリ・ゲオルエヴナ(トゥトベリゼ)は、あなたにもっと良くなってほしいと思っているだけだ、と言って。
(ダニール・グレイヘンガウスとセルゲイ・ドゥダコフは、そんな善良な警察官の役割だったのでしょうか。)
ええ、善い人たちです。とはいえ、いい加減なことをしていると、彼らも見つけて怒ったりはします(笑)。エテリ・ゲオルギエヴナ(トゥトベリゼ)のこともまったく理解できます。私は体重が44-45kgだったのですが、私のジャンプが上手く行かないときは、彼女は私を体重を量らせました。それで+500gだったりすると、これはあなたのせいですよ、と言われました。彼女の言うことはまったく理解はできます。
(続く)
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