ちょっと前になりますが、9/22付のRTにプルシェンコのインタビューが掲載されていたので前中後編で紹介します(前後編とお伝えしてましたが、間に合わず…)。中編は、選手の移籍やメドヴェデワ、振付の方針についてです。
「子供を侮辱するのは絶対に許さない」下品な言葉のタブー、ミーシンのトレーニング機器、トルソワのジャンプとメドヴェデワの将来についてプルシェンコが語る
(中)スケート選手の移籍、メドヴェデワ、振付 ← この記事
10/6発売 【Amazon.co.jp 限定】フィギュアスケート日本代表 2020 ファンブック(特典データ:本誌未掲載コメント&フォト) (別冊 山と溪谷)
「子供を侮辱するのは絶対に許さない」下品な言葉のタブー、ミーシンのトレーニング機器、トルソワのジャンプとメドヴェデワの将来についてプルシェンコが語る
https://russian.rt.com/sport/article/783731-plyuschenko-mishin-medvedeva
エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ / RT / 2020/9/22
(続き)
(トルソワがあなたのところに移籍する際、彼女は長年指導を受けてきたヴォルコフのグループに戻ると多くの人が考えていました。)
いえ、そういったことは検討されませんでした。この機会を利用して、すでに申し上げてきたことではありますが、もう一度ピリオドを打ちたいと思います。サーシャ・トルソワのことは、誰も奪ったりはしていません。私たちの間で何か内密の長い交渉があったのではないかと、実際に多くの人が思っているので、このことを伝えるのは私にとって重要です。2年前、サーシャ(トルソワ)のお父様が私に始めて電話をしてきたときにはただ、うちはリンクが小さくて、真剣な練習はできるものではないこと、そしてそのために自分自身もコーチ業をやりたいのかどうか最後まで決めきれていなかったことを、正直に伝えました。
時は経ち、ご両親は再び連絡をしてきました。それで私たちは一緒に指導する決断をしました。前のグループで実際に何があったのかは知りませんし、探ろうとはしませんでした。アリョーナ・コストルナヤについては、彼女は自身のインタビューで、これ以上なくすべてを自分で説明しました。私が思うのは単純なことです。もし人が滑りたいと思って、私にその人を指導する可能性があるなら、なぜいけないのでしょうか?正直に言うと、いったいどうしてトゥトベリゼからプルシェンコへと移籍ができるんだ、というテーマのスキャンダルはまったく理解できません。どうしてトルソワはヴォルコフからトゥトベリゼに移籍したんでしょうか?あるいは他の選手は?フィギュアスケートでの大きな移籍は、つねに大量にありました。
(フィギュアスケートは、その人気にも関わらず、かなり狭い人の集まりであり、家族です。この家族の大部分が、あなたを応援するというよりもむしろ責め立てているこの状況は、あなたにとってどれだけ不快でしょうか。)
これについては、私は違った情報を持っています。フィギュアスケート連盟幹部やコーチたちとよく交流していますが、同僚の多くは、脅迫間際に至るような、いわば最も誠実とは言えない方法で、選手を奪われた経験があることを知っています。私の場合は、みんな自分でやって来るのようになりました。もしかすると、私がすぐにコーチ業に飽きてしまうとか、選手に対する態度が何か気に入らないとかいう印象が実際にできつつある人もいるかもしれませんが、それに対しては仕事でしか反証できないものです。繰り返しになりますが、そのために自前のベースを建設しているところであり、選手たちにとってやりやすい条件を作り出し、スポンサーを探していますし、自分でもたくさん資金提供しています。真剣に仕事をするつもりでなければ、なぜこんなことすべてをするのでしょうか。
(あなたは、かつてあなたには手の届かなかったことすべてを、いま、選手たちに与えようと、ひどく頑張っているような感覚が離れません。)
正しいご指摘です。そのとおり、私は長い期間にわたり現役でしたが、なぜこんなにあらゆる手術を受けることになったのでしょうか。なぜなら、回復をしていなかったからです。マッサージも、サウナも、プールも、ストレッチも、正しいクールダウンもありませんでした。滑りきったら、家に急いでいたのです。あなたもよくご存知だと思いますが、プロのアスリートとして、練習後にはクールダウンして、ストレッチをして、物理療法を受けて、リンパを一部送り出して、マッサージで筋肉を回復させる必要があります。そうしてやっと、長い現役生活について真剣に話すことができるのです。
(女子スケートで、トップでいる時代がなんと短いことか、ということを考慮に入れてそれについて話す必要はありませんか?)
個人的には、私の教え子たちはなるべく長い間滑ってもらいたいと強く思っています。一瞬の火花や一度限りの歴史ではなく。ジャンプして、ちょっと優勝して消えていくような。
(それでは、競技における自分の世紀を伸ばすためにあらゆるチャンスを掴もうとするエヴゲニヤ・メドヴェデワの意図に、あなたはとても近いものを感じているはずではないでしょうか。)
ジェーニャ(メドヴェデワ)がいまいる状況では、彼女には同情することしかできません。ここ数ヶ月、彼女にとっては練習がとても大変だったことでしょう。オリンピック王者であれ、世界王者であれ、コーチはつねに必要です。誰かがそばで見て、間違いを指摘して、指示をして、ということがなければなりませんし、大切なのは、選手にとってつねに支えが必要だということです。
この状況で、一つ、「しかし」があります。世界選手権やオリンピックで表彰台を目指し続けるなら、メドヴェデワには4回転ジャンプが絶対に必要です。滑りを見ている限り、ジェーニャ(メドヴェデワ)はこの課題遂行に十分な準備ができてません。彼女がなんとか埋め合わせをするかもしれません、時が経てばわかるでしょう!メドヴェデワはファイターで、そのまま降伏することは絶対にないでしょう。ですので、彼女には、新しい、正確には昔の、その下で世界女王になったコーチ陣とともに、実り多い練習ができることを祈るばかりです。
(つまり、エヴァン・ライサチェックの方法は信じていないと。)
いまはもう信じていません。もうどれだけの女子が補欠のベンチに座っているのかご存知でしょう。オリンピックに向けてその数はもっと増えます。彼女たちはトリプルアクセルを跳び、滑りやスピンも素晴らしく、魅力も、コレオの才能もあり、4回転を安定してトライするのに十分な力があります。ですので、3回転ジャンプでは、高いところには行けないのではないでしょうか。技術的な困難があるならなおさらです。
(トルソワはテストスケートで4回転ジャンプを3本跳びました。これは、最適な限界なのでしょうか、それとも技術コンテンツの難度は上げる予定でしょうか。)
ダブルアクセルの代わりにトリプルアクセルを考えているのと、それ以外にクワドサルコウも予定しています。サーシャ(トルソワ)はきちんと跳べますので。
(トルソワにロミオとジュリエットのテーマをご提案されましたが、氷上でどんなイメージを実現したいと思われたのですか?)
普遍的なことです。運命、愛、苦悩、劇場、不幸な運命…。正直に言うと、テストスケートでは予定し滑り込んでいたものすべての実現からは遠かったです。技術的には、明らかなことですが、あのルッツはもっと落ち着いて降りることもできたでしょう。しかし、それについては心配していません。申し上げているのは振付のことです。「新しいことはない。漕いでジャンプ、漕いでジャンプ」といったコメントももちろん読みました。しかし、クワドジャンプを違うやり方で跳んでみてください。不可能ですから。
(まさにそのために、プログラムの滑り込みで、余計と思われるあらゆる動きを排除して、振付を限界まで簡潔にするとういのがあなたとミーシンに特徴的でしたね。とはいえ、あのコストルナヤにはシェイリーン・ボーンを招聘されています。フィギュアスケートで最も複雑な組み合わせをする振付師です。それはなぜでしょうか?)
アリョーナはいまのところ4回転ジャンプを跳んでおらず、その振付を素晴らしく滑り切る能力があるからです。彼女には他にはないコレオ的才能ががあり、まさにそのために、ボーンにコストルナヤに対し振付をしてもらいたいと思ったのです。彼女はすぐに反応してくれました。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿