ちょっと前になりますが、9/22付のRTにプルシェンコのインタビューが掲載されていたので前中後編で紹介します。後編は、練習への両親の参加、練習プロセス、コリャダについてです。
「子供を侮辱するのは絶対に許さない」下品な言葉のタブー、ミーシンのトレーニング機器、トルソワのジャンプとメドヴェデワの将来についてプルシェンコが語る
(後)選手の両親と指導、コリャダ ← この記事
10/26発売 羽生結弦の言葉 : 真っ暗だからこそ見える光がある
「子供を侮辱するのは絶対に許さない」下品な言葉のタブー、ミーシンのトレーニング機器、トルソワのジャンプとメドヴェデワの将来についてプルシェンコが語る
https://russian.rt.com/sport/article/783731-plyuschenko-mishin-medvedeva
エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ / RT / 2020/9/22
(続き)
(現在、女子シングルは、選手とだけでなく、ほとんどいつも練習プロセスに積極的に参加する両親とも対話を余儀なくさせるようになりました。このような関与は、不幸でしょうか、それとも幸運でしょうか。)
不幸です。親の90%は、彼らが子供のために良かれと思うことをやろうとしますが、残念ながら、悪い方向にしかならないこともあります。彼らは子供のマネージャーを始めて、練習時に助言したり、練習後にもどこかへ個人レッスンを受けに出かけ、追加で専門家を雇ったりしているのです。重要なのは、彼らにとってはいつもすべてが足りないのです。氷上練習も少ない、フロア練習も少ない、コレオ練習も少ないと。私が7歳のときは、ヴォルゴグラードで週に3回のれんしゅうでした。いま、7歳児は1日に2回の練習で滑っています。つまり、週に14回です!それに加え、追加でリンクを借りています。それで、私たちは訊ねるのです。なぜそんなに怪我ばかりさせるのですか?と。11歳、12歳、13歳の子供が、膝が痛いとか、アキレス腱が痛いとか、腰が痛いとか、頭が痛いとか、そんななんです。こういうとき、ご両親には説明します。ソリャンカ(※濃厚なスパイススープ)に、ケフィアとか牛乳をいれて、コンポートにはソーセージを入れて、美味しいだろうと期待してはいけないと。まず意識すべきは、しくみと正しい練習戦略です。
(教え子のご両親方は練習に同席されていますか?)
定期的にオープンレッスンはしていますが、制度的なものではありません。年長グループは練習にご両親が同席されるのを認めていますが、子供に向かってどこにいけとかこう跳べとか指示し始めるのに気づいたら、すぐにリンクから出ていってもらいます。
(あなたご自身は氷上で教え子に叫んだりされますか?)
怒鳴ることはありますが、子供に向かって手を上げることは絶対にありません。選手を侮辱したり、馬鹿にしたりすることは絶対に許しません。下品な言葉はまったく受け入れられません。子供に向かって下品なことを言ったり失礼な呼び方をしたりしてはいけません。
アカデミーができてから、私は17名のコーチを解雇しました。規律違反や、下品な言葉遣い、子供に対する侮辱や、手を上げたりしたためです。選手には、いつも言っています。みなさんはプロですからと。全面的にみなさんを支援しますし、ジョークを言ったりしますし、練習が楽しくなるように組み立てる準備はありますが、みなさんは練習に集中しなければなりませんと。私のところでは、みんなが一所懸命です。
(どんな理由で、教え子を練習から追い出すことはありますか?)
怠慢や、求めたことをやらないこと、技術的欠陥を修正しようとしないことです。とはいえ、必ずしも追い出す必要はありません。子供をベンチに座らせて、他の選手の滑りを見せるだけで十分なこともあります。他の選手を褒め始めることも…。それから、「パンク」をしたら追い出します。つまり、選手がジャンプに入ろうとしているのですが、実際はもう自分のために跳ばないことを決めていたときです。
(ところで、「パンク」についてですが…テストスケートの際に多くの人が、アレクセイ・ミーシンの下に移ってからのミハイル・コリャダに起こった変化について注目していました。)
ミーシャ(コリャダ)のジャンプに問題がでてきたとき、私はスケート連盟幹部とそのテーマについて話したのですが、そのときにはもうコリャダはコーチと一緒にミーシンのコンサルに送ったほうが良いと言っていました。そのためには、なにか移籍だとか、なにか考え出すひつようがありました。ミーシンにはシステムがあり、練習課題があり、戦術があり、方法論があります。いま、結果も見ています。コリャダのジャンプには明確な軸、正しい傾き、正しい着氷、正しい速度が出てきました。速度はもうちょっとだけ上げられたら最高です。ジャンプにあまりにも多くの体力が持っていかれないようになったとたん、線が見えるようになり、コレオも違ったようにとらえられます。
(コンサルのためにミーシンに自身の選手を送り出すことに同意されますか?)
アレクセイ・ニコラエヴィチ(ミーシン)との間では、すでにその件についての合意があります。
(そういった協力のアイディアの要点はどこにあるのでしょうか。)
何よりもまず、話すことです。例えば、テストスケートの際、女子たちは誰ともまったく話したことがないんじゃないかという印象が私には生まれました。みんな、すべてから距離を取ろうとしていることから見て取れました。自分で調整して、自分でどこかでウォームアップして、ランニングをして。私とミーシンはつねに話していました。ウォームアップで、大会で、リンクでも、リンク外でも。アレクセイ・ニコラエヴィチ(ミーシン)では最高クラスの教師です。私に何が起こっているのかについて、彼はいつだってわかっていました。彼とは、女の子の話だとか、クラブの話だとか、自動車やマンションの話、ビジネス話など、何についてだって相談することができました。
(全員がコーチについて運が良いわけではありませんよ。)
ええ、私はこれ以上なく幸運でした。そして、今の選手たち、そして将来の選手たちに、話すことが最も重要な要素であるということを伝えたいです。アドレナリンが出てきたら、それをどうやって消すのでしょうか?注意を切り替えるのみです。ウォームアップで、6分間ずっとブンブンブンとジャンプを繰り返し続けてはいけないのです。長い選手生活の可能性についていうなら、選手ははっきりと理解しなければなりません。誰かを追い抜くとか勝つとか、そういったことは競技で一番難しいところではまったくないということを。一番大変なことは、勝ち取った位置を守ることです。選手一人では、この課題に対処することは絶対できませんし、どんな両親だってその役には立ちません。手伝えるのは、毎日選手を導き、指導し、困難な時期に隣りにいてくれて、信頼できるチームだけです。そして、どんな道のりで成功に導くのかを徹底的に知っているチームです。
(トルソワかコストルナヤがあなたのところにきて、「エヴゲニー・ヴィクトロヴィチ(プルシェンコ)、本当にありがとうございました、でも移籍します」と言ってきたら、ひどくがっかりするでしょうか?)
もちろんがっかりします。たくさんの時間を費やし、たくさんの仕事をして、エネルギーを入れ込んでいますから。とはいえ、耐えられるでしょう。ちょうどこのテーマについて、家で妻と最近話したところなのですが、私は「ヤン(ルトコフスカヤ:プルシェンコの妻)、僕たちはもう11年一緒にいて、これからも一緒にいるというのが一番大切だ」と言いました。残りすべては、取るに足らないことだと…。
(終わり)
0 件のコメント:
コメントを投稿