メドヴェデワが、オーサーからトゥトベリゼの下に再移籍するニュースについて、オーサーがRTのインタビューに答えていましたので紹介します。
「トゥトベリゼとの同盟は、息が止まるほどのものになりえる」 - オーサーが、メドヴェデワの決断、腰の痛み、そしてボーンの振付けについて語る
https://russian.rt.com/sport/article/780777-orser-medvedeva-tutberidze
エレナ・ヴァイツェホフスカヤ / RT / 2020/9/16
(ジェーニャ(メドヴェデワ)があなたのグループから去る可能性について初めて話したのはいつのことですか?)
その話は数日前にありました。ジェーニャがモスクワにいる間ずっとそうやっているとおり、いつもどおりFacetimeで連絡をとりました。その回は、話のテーマは練習プロセスについてでした。私もジェーニャも、コーチと一緒にリアルタイムで練習する機会を持つことがいかに重要かをわかっていました。遠隔での練習の必要性は、私たちの両方にとって深刻な試練となりました。練習が最大限に効率的にできるよう、私達にできることはすべてしました。しかしもちろん練習は完全なものだったとは思えません。
ジェーニャの決断については、このようなニュースがフィギュアスケート界にどんなショックを起こしうるのか、またあらゆる種類の議論を呼び起こすのかについて理解していますが、言えることが一つだけあります。個人として、今もこの先も、教え子のあらゆる決定を応援します。私とジェーニャとの間には、どんな小さな問題も、お互いの関係におけるどんな言い残しもありません。私たちが対処しきれなかった唯一の問題は、パンデミックです。
(メドヴェデワが、2018年のあれだけ痛みを伴ったエテリ・トゥトベリゼとの別れを経て、また彼女の下に戻りたいと言ったことは、あなたにとってはサプライズでしたか?)
誰が決めたことであるのか、私は訊きませんでした。メドヴェデワが、将来についてその指導部と協議していたロシア・フィギュアスケート連盟と相談したのか、あるいは自分の計画についてエテリと直接相談したのかを。そのことを知ることが、そしていちばん重要であるのは、私がそのことを知りたいと思っているのか、よくわかりません。しかし、一緒に練習をしてきた間にメドヴェデワとの間にできあがった関係性を、私はとても大切にしています。とても誠実で、信頼性がある関係です。いま、ジェーニャを動かしているものは一つだけであるということは、100%自信を持っています。彼女はスケートをしたいと強く思っていて、彼女にはコーチが必要だということです。このインタビューの最初に触れたミーティングの中で、私たちは同じ結論に達しました。私たちみんなが最初に思っていたよりもかなり深刻な不幸となったこのパンデミックがなかったら、私たちはいま議論しているこのテーマを議論することは絶対になかったと。
夏はまったく違う過ごし方をする予定でした。トロントで落ち着いて練習をしてシーズンインの準備をして、9月のテストスケートには一緒にモスクワに来るという。このようであったら、テストスケートでの演技の結果は、観客が「メガスポルト」アリーナで見たものとは、まったく違うものになったはずだと確信しています。私もジェーニャも、このような結果を目指していたものではまったくありません。テストスケート前のモスクワでの練習でも、ジェーニャはもっと良く見えていました。自分の目で彼女の滑りを見ていましたから。
(CSKAでメドヴェデワの練習を見ていたタチヤナ・タラソワも、2週間前はジェーニャは万全な状態だったと話していました。その後何があったのか、あなたはご存知ですか?)
私が正確に知っていることでは、ジェーニャは、今日とか昨日とかではなくかなり前から持っている腰の慢性的な痛みに定期的に悩まされています。今回の症状の悪化は、スピンのビールマン・ポジションのあまりに積極的な練習の結果起こったのだと思います。ジェーニャが私のグループに入ったときにはもう腰の問題があり、彼女の話から痛みは椎間板によるものだと理解しました。メドヴェデワはオリンピック・シーズンずっとこの痛みと戦わざるをえなかったのです。
慢性的な怪我は、症状の悪化は避けられず、その場合は練習を休んであらゆる大量の処置を行い、その後多くのことについて練習を新たに再開することを余儀なくされます。それに加え、ストレスも影響した可能性があります。ホームリンクでの練習は、観客を前にした大きなスタジアムでのプログラムの演技とはまったく違うものです。選手にとって重要な意味を持つイベントでは特にそうです。メドヴェデワにとって、オープンテストスケートはとても重要なものでした。私はそれを正確に知っています。
(電話での連絡で、彼女がどんな気持ちで新シーズンについて話していたか、感じらましたか?)
シーズンがあるのかどうかというところに問題がありました。いま、世界は最高に不確実で、それが選手の精神面にも強いプレッシャーを与えています。トロントに残っている選手を指導する際も、それでもシーズンは成立するという選手の確信を支援できるよう、あらゆることをしようとしています。ジュニアワールドは開催され、その後シニアのワールドも開催されると。それに向けて準備をしなくてはならず、つまり、練習を、これまでの人生でいつもしていたことを続ける必要があるということを。
グループの中にいれば、選手にとっては楽なのです。選手たちは、自分一人で自分の問題に対処するのではない、隣にはコーチもいる、つまり、自分を支えてくれる人がいるということを見て取っています。いつもの生活様式から切り離されていたら、モチベーションを維持するのは何倍も難しくなるでしょう。まさにこのために、ジェーニャがいま起こしている行動がどれだけ正しいことなのか、ここから今後何が得られるのかについて、判断する権利は私にはまったくありません。私は彼女の側にいて、彼女が健康であることを強く望んでいます。それが今、一番大切なことです。
(これまでタチヤナ・タラソワやエレナ・ブヤノワと連絡していたように、エテリ・トゥトベリゼとも連絡を予定されていますか?)
その質問は論理的なものです。私側としては、あらゆる種類の協力に対しオープンです。相手側については、エテリと彼女の同僚に同じ質問をした方が良いでしょう。そういった協力は、単に興味深いだけでなく、息が止まるようなものになりえると思えます。
(いまのメドヴェデワのコーチ陣が、今シーズンに向けてすでに振付けが終わったプログラムを変える意向を表明する場合、あなたはがっかりされますか?)
この件で深く悲しんだほどにはなりません。この件についての私の意見は、もう誰に関わるものでもないでしょう。
(とはいえ?)
シェイリーン・ボーンが振付けをしていたジェーニャのフリープログラムについては完全に見せられたわけではありません。テストスケートでの演技で、プログラムの印象を作るのは難しいと思います。この振付けは傑出していて、名作だと私は思っています。振付けのプロセス自体もユニークでした。プログラムと曲のアイディアはメドヴェデワ自身が提案して、ボーンは彼女の性格をすぐによく感じ取って、彼女の内なる力を正しく利用してどのように見せるかを理解しました。
ある意味で、ジェーニャとシェイリーンのあの振付け作業が、ロシア選手権での失敗による私たちの失望をゼロにしてくれました(注:メドヴェデワはブーツの問題のため大会の棄権を余儀なくされた)。ジェーニャはクラスノヤルスクから戻ってすぐにボーンの住むロサンゼルスに跳び、新プログラムの振付けに取り掛かりました。
この経験が継続されるかどうかはわかりませんが、この経験のおかげで、ジェーニャは選手として大きく変わり、芸術面で信じられないほど力をつけました。このプログラムについてはすでに素晴らしい衣装ができているので、相応な演技があればその光景は忘れられないものになるはずです。自分についてはいえば、このプログラムでジェーニャを絶対に見たい、とは言えます。
(終わり)
メドヴェデワ、トゥトベリゼの下での最初の練習を再開。両プログラム(SP「仮面舞踏会」、FS「シルク・ドゥ・ソレイユ」)は維持。https://t.co/eUui6TPdOB
— 岩信祐理@元祖ユーリonアイス (@yurii_rusFS) September 16, 2020
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