ラジオノワ:私は全力を絞りきった(4)振付と将来

2020年9月26日土曜日

2020/21 カナエワ シェイリーン タラソワ チェルヌィショフ マスレンニコワ モロゾフ ラジオノワ 引退

t f B! P L

引退を表明したエレーナ・ラジオノワがR-Sportのロングインタビューに答えていましたので、全6回全5回で紹介していきます(全4回のつもりでしたが、ちょっと長かった…)。第4回は、振付についてと将来についてです。

「私は全力を絞りきった」-エレーナ・ラジオノワの率直なインタビュー

(1)引退の時期と理由

(2)経歴とコーチ

(3)ライバルたちとデニス

(4)振付と将来   ← この記事

(5)整形と恋人 



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「私は全力を絞りきった」-エレーナ・ラジオノワの率直なインタビュー

https://rsport.ria.ru/20200922/radionova-1577567244.html

アナトリー・サモフヴァロフ / R-Sport / 2020/9/22



続き



(みんなが必ずしも彼女に敬意を持って接しているわけではありませんが、助言はみんな聞き入れていると気づきました。)


賢くない人だけが、タラソワのことを聞き入れようとしないのです。覚えている限り、彼女が正しくなかったような状況など、まったくありませんでした。フィギュアスケートについて、彼女はすべてを知っていて、しかも時代より先に進んでいるのです。以前はみんなクラシックで演技をしていましたが、いまは現代音楽の世紀がやってきました。そしてタチヤナ・アナトリエヴナ(タラソワ)は、新しい傾向をまったく客観的に評価する能力があります。「ポーギーとベス」のプログラムについて、私にはたくさんの疑問がありました。曲を提案してくれたのはタラソワで、彼女はその中に私を見てくれたのですが、役が私にとってはあまりにも新しいもので、その中の自分をまったく想像できませんでした。最初のうちは。振付を始めて、シェイリーンの能力を理解しました。正直に言いますが、タチヤナ・アナトリエヴナ・タラソワは悪いことを助言しません。シェイリーンの振付けたガーシュウィンは、完全な歓喜でした。いまでも楽しんでいます。専門家を信頼することには慣れています。



「私とチェルニショフが、氷上のラップの振付けをした最初だった」


(シェイリーン・ボーン、モロゾフ、ウラソワ、マスレンニコワ、チェルヌィショフ、カナエワ、アヴェルブフ、ジー。あなたのキャリアの振付師の中では誰が一番凄いですか?)


シェイリーンとはファンタスティックなものを作りました。エレーナ・スタニスラヴォヴナ(マスレンニコワ)は大好きで、本当の意味で高潔な人物です。彼女は私が小さい子供の頃から指導してくれて、彼女が素晴らしい「フィフス・エレメント」や「ゾンビ」を振り付けてくれました。イリヤ・アヴェルブフは、まったく誰にも似ていない振付師です。彼にはルーティンがあります。フードを被って自分ひとりだけで氷上を滑り、自分の中で全プログラムを生きて、それからやっと選手に振付けを始めるのです。ペーチャ・チェルヌィショフはその滑りの作法が独特で、彼にはたくさんの新しいステップがあるのです。彼がなにか提案しても、それはできないと思ってしまいます。私は彼の脚を見ていましたが、どうやってその脚がくるくる向きを変えているのかがわかりませんでした。けれど、自分に打ち勝つことができると、とても素晴らしいものになります。コーリャ・モロゾフはスケーティングのコントロール、エッジさばきの秘密を教えてくれました。彼のプライオリティは、選手にとって滑りやすいプログラムにありました。もしどこかやりづらい部分があったら、プログラムのその部分で失敗が待っている、と彼は考えています。モロゾフは、それぞれの動きがハーモニーのように次の動きへと流れ込む、プログラム全体の振付の名人です。ナージャ・カナエワとラファエル・アルチュニアンはまったく状況が違っていて、ナージャは私に女性の軽い滑りを教えてくれました。彼女は毎回、私をどんどん柔らかくしようとしてくれて、まるで空中を飛びながら私を研いでくれました。隣ではアシュリー・ワグナーも飛んでいて、私はときどき彼女の女性的な滑りの作法を飲み込もうとしてました。私のスケーティングにもとても有益な影響がありました。カナエワはプログラムを最小限のエネルギーで空気のように軽いプログラムを振り付ける才能があります。強い脚と軽い体幹の共生です。ナージャとシェイリーンは私にアメリカ・カナダのスタイルへの愛を植え付けてくれて、私は喜んで経験を積みましたが、ロシアに戻っても失いたくないと思いました。いまや私にはロシアと北米のコレオスクールの経験があり、想像もつかないほどの楽しさをもって、この経験を子供たちに伝えています。



(将来は振付師ですか?)


はい、熱中しています。もちろん、ジャンプについての指導が依頼されれば、それについてもわかりますので対応します。けれど、私はコレオグラフィーで生きています。私はこれです。



(非常識なアイディアなどはありますか?)


2018/19シーズンの、エイミー・ワインハウスの「You Know I'm Good」のショートが滑りきれなかったのが本当に残念です。私とチェルヌィショフは、フィギュアスケートをラップで振り付けた最初の人でしょう。信じられないほどクールなプログラムです。こういったものを観客のみなさんに見せられなかったことを強く後悔しています。フリーは全く違っていて、もう頭から消えてしまいました。



(もし選手が来て「カルメン」を振り付けてほしいと依頼してきたら、違うものにするよう説得しますか?)


いえ、みんなとは違うような「カルメン」にしようと努力します。



(違うように、とは。)


一番大切なのは、選手の強い資質を開花させることです。選手に何が似合うかを理解する必要があります。あるポジションは似合っても、似合わないものもあり、それは振付けをしているときにはっきりとわかるものです。振付は、まったく知らない「カルメン」を世界に提示するために、たくさんのオリジナルなものから選び出すことができる、科学なのです。



(ザギトワのビリー・アイリッシュのナンバーのときのグレイヘンガウスのように、後で盗作で責められないようにするのは大変ですか?)


一流の振付師にはそれぞれ、ステップや氷上での他の仕上げで表現される自分のスタイルがあるので、常に違っていることはとても大変なことです。まったく劇的に違うことができている振付師は一人しか知りません。シェイリーン・ボーンです。彼女にまったく同じ曲を2曲持ってきても、彼女は2つの異なったプログラムを振り付けるでしょう。



続く



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