ミハイル・コリャダのロングインタビュー、第3回です。
(2)アルチュニアンとジャンプ
(3)チェンのオーラ ← この記事
(4)コリャダと国別対抗戦
(5)カルメンとスケーター
https://rsport.ria.ru/figure_skating/20180909/1141520478.html
(つづき)
少しだけです。私のネアンデルタール人のような英語でできる範囲で。それよりも、彼のことを注視していました。ネイサンのことはフィギュアスケーターとして好きです。とても良い人で、社交的な善人です。
(英語を話さないのに、どこからそれがわかりましたか?)
かなり頻繁に同じ大会に出ていましたから。傍から見て気づくこともありましたし、それに、どの人にも自身の生体エネルギーがあります。チェンからはいつもポジティブさが出ていて、そばにいるととても気持ちが良いです。
(アルチュニアンによると、ネイサンは子供の頃から4回転ジャンプを指向していて、このせいでコーチと喧嘩になったこともあったそうです。)
練習でチェンは本当にたくさんジャンプを跳びます。でも、それよりもはるかに強く驚かされたのは別のことです。彼が練習に来るのは、陶酔をするためだと。
(そんなにたくさんの4回転を跳びながら、いったいどうやって陶酔できるのでしょうか。)
そこなんです。そこに大きな問題があります。そばで滑りながら人が練習しているのを見るのは、私にとってとても良い経験でした。チェンは本当に、自分がしていることすべてに陶酔しています。100%すべてです。何かうまくいかなかったとしても、乱暴な言い方ですが、それらすべてを跨いで先へと進みます。ロシアでは、特に自分がそうですが、すべてがまったく違っていました。もし何かがうまくいかないと、がっかりしはじめてしまい、自分自身に対しこの精神的な穴を掘り進んでしまうのです。
また、ラファエル・ウラジーミロヴィチ(アルチュニアン)は、まさに練習という意味で、自分の周りに素晴らしいチームと極めて効率的な空気を創り出していました。疲れたから練習は終わり、といったことはありません。どこからかさらに力が湧いてきて、もっと、もっと、もっととなります。次の練習では、リンクに入って最初は疲れを感じているように思えるのですが、慣らし滑りをして、軽くジャンプを跳んでいると、すべてが新しく感じられるのです。サーフィンのように常に波に乗っている感覚で、滑っていると言うよりも、氷上を滑空しているかのようです。
(1日に何時間リンクにいたのですか?)
1時間の練習を3回です。ホールでの練習や、振付、体力トレーニングもありました。しかし、氷上練習の後はストレッチだけということもありました。
(アメリカでは1時間毎の支払いという形での練習だったのでしょうか。)
そうです。アメリカでは一般的に、みんなお金の許す限りで練習しています。幸いなことに、この点ではサンクトペテルブルク・フィギュアスケート連盟も、ロシア・フィギュアスケート連盟も、私たちのグループを力強く支援してくれました。
(ロシアでは原則として、練習に何かお金がかかるということをスケーターは考えていません。練習ごとに具体的にお金が支払われているということを理解すると、練習への態度を変えざるを得ないでしょうか。)
正直に言うと、自分自身そんなことを考えていませんでした。ポケットから金を盗むようなガリガリ亡者がいるようなところには単にいたことがありませんでした。しかし、はっきりとこう言えます。具体的な氷上練習に対して一定の金額を払っている人たちに常に囲まれていると、自然と似たような状況を感じ始めます。どんなリンクでも、何らかの成果を追いかけずにただ滑りに来る人たちも常にいます。しかし、自分が求めるものを正確に理解し、練習にしっかりと喰らいつく人もいるのです。傍から見るといつもよくわかります。
(ランビエールやアルチュニアンとの練習のために、自分自身がお金を払わなくてはならなかったとしたら、その練習に行ったでしょうか。)
ええ、そういった練習にはどんなお金だってもったいなくありません。
(つづく)
ミハイル・コリャダ:平昌で経験したショック
(1)ランビエールとステップ(2)アルチュニアンとジャンプ
(3)チェンのオーラ ← この記事
(4)コリャダと国別対抗戦
(5)カルメンとスケーター
ミハイル・コリャダ:平昌で経験したショック
2018/9/10 / エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ / R-Sporthttps://rsport.ria.ru/figure_skating/20180909/1141520478.html
(つづき)
チェンとそのオーラ
(アメリカで練習している間、ネイサン・チェンとは交流がありましたか。)少しだけです。私のネアンデルタール人のような英語でできる範囲で。それよりも、彼のことを注視していました。ネイサンのことはフィギュアスケーターとして好きです。とても良い人で、社交的な善人です。
(英語を話さないのに、どこからそれがわかりましたか?)
かなり頻繁に同じ大会に出ていましたから。傍から見て気づくこともありましたし、それに、どの人にも自身の生体エネルギーがあります。チェンからはいつもポジティブさが出ていて、そばにいるととても気持ちが良いです。
(アルチュニアンによると、ネイサンは子供の頃から4回転ジャンプを指向していて、このせいでコーチと喧嘩になったこともあったそうです。)
練習でチェンは本当にたくさんジャンプを跳びます。でも、それよりもはるかに強く驚かされたのは別のことです。彼が練習に来るのは、陶酔をするためだと。
(そんなにたくさんの4回転を跳びながら、いったいどうやって陶酔できるのでしょうか。)
そこなんです。そこに大きな問題があります。そばで滑りながら人が練習しているのを見るのは、私にとってとても良い経験でした。チェンは本当に、自分がしていることすべてに陶酔しています。100%すべてです。何かうまくいかなかったとしても、乱暴な言い方ですが、それらすべてを跨いで先へと進みます。ロシアでは、特に自分がそうですが、すべてがまったく違っていました。もし何かがうまくいかないと、がっかりしはじめてしまい、自分自身に対しこの精神的な穴を掘り進んでしまうのです。
また、ラファエル・ウラジーミロヴィチ(アルチュニアン)は、まさに練習という意味で、自分の周りに素晴らしいチームと極めて効率的な空気を創り出していました。疲れたから練習は終わり、といったことはありません。どこからかさらに力が湧いてきて、もっと、もっと、もっととなります。次の練習では、リンクに入って最初は疲れを感じているように思えるのですが、慣らし滑りをして、軽くジャンプを跳んでいると、すべてが新しく感じられるのです。サーフィンのように常に波に乗っている感覚で、滑っていると言うよりも、氷上を滑空しているかのようです。
(1日に何時間リンクにいたのですか?)
1時間の練習を3回です。ホールでの練習や、振付、体力トレーニングもありました。しかし、氷上練習の後はストレッチだけということもありました。
(アメリカでは1時間毎の支払いという形での練習だったのでしょうか。)
そうです。アメリカでは一般的に、みんなお金の許す限りで練習しています。幸いなことに、この点ではサンクトペテルブルク・フィギュアスケート連盟も、ロシア・フィギュアスケート連盟も、私たちのグループを力強く支援してくれました。
(ロシアでは原則として、練習に何かお金がかかるということをスケーターは考えていません。練習ごとに具体的にお金が支払われているということを理解すると、練習への態度を変えざるを得ないでしょうか。)
正直に言うと、自分自身そんなことを考えていませんでした。ポケットから金を盗むようなガリガリ亡者がいるようなところには単にいたことがありませんでした。しかし、はっきりとこう言えます。具体的な氷上練習に対して一定の金額を払っている人たちに常に囲まれていると、自然と似たような状況を感じ始めます。どんなリンクでも、何らかの成果を追いかけずにただ滑りに来る人たちも常にいます。しかし、自分が求めるものを正確に理解し、練習にしっかりと喰らいつく人もいるのです。傍から見るといつもよくわかります。
(ランビエールやアルチュニアンとの練習のために、自分自身がお金を払わなくてはならなかったとしたら、その練習に行ったでしょうか。)
ええ、そういった練習にはどんなお金だってもったいなくありません。
(つづく)
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